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2020年2月 3日 (月)

2020神奈川の男子校 聖光学院・桐光学園・慶応普通部が突出

★今年の神奈川エリアの男子校は、東京エリアに比べ、その多くが出願の勢いが良いとはいえませんが、そんな中で、聖光学院と桐光学園、慶応普通部は突出しています。聖光学院や桐光学園は、かつては東大を頂点とする最難関大学に合格させるという点ばかりが注目されてきました。慶応普通部はビッグ・ブランドで応募者が多いと思われてきました。しかし、今は受験生・保護者の意識はだいぶ変化してきています。

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★神奈川の男子校の中で、上記3校は、かなり未来型学校として受験生・保護者の目には映ります。そして同時に大学進学先についてもそこでがんばるとなんとかなるという期待値も高いわけです。慶應普通部は、よほどのことがない限りそのまま進めるので、のびのびと「労作展」を中心とする探究活動ができます。

★実は、聖光学院も聖光塾や選択芸術、SSH認定校など探究活動とSTEAM的な新しい教養教育が充実し、大学合格実績と教養教育の二兎を追うという感じから、基礎学力と新しい教養教育を行えば、最難関大学の実績も当然出るし、海外大学にも進む生徒も増えるだろうという実感が浸透してきたと思われます。実際に東南アジアのサイエンス・国際コンクールなどでも在校生は活躍しています。

★桐光学園も、大学訪問授業で、知の最前線の教授や作家、クリエーターなどが、毎月のように講義をする機会を10年以上継続してきています。当初は、この講義で生徒が理解することがある意味目標でしたが、今ではそれは桐光学園の生徒の知の基盤で、そこから自分の探究や生きる道を見出し学びに励む雰囲気が広まっています。なおかつグローバル教育にもかなり力を注ぎ、聖光学院と同じような未来型教育への期待が受験生・保護者に高まっているのでしょう。

★東京の共学校宝仙理数インターも高人気校ですが、実は同様の雰囲気があります。大学に合格する方法は確立したから、思い切って創造的でワクワクするような学びを、教師と生徒が、生徒同士が協働していくという雰囲気があるし、説明会でそう明言しています。

★中学入試が大衆化したのは、1985年以降です。最初は校内暴力や学級崩壊からの避難場所だったのが、バブルの崩壊前後で私立中学の数が増え、国際理解教育と大学合格実績競争の場となり、反ゆとり教育の影響でそれは一瞬強化されましたが、受験生の保護者の仕事が、グローバルなコンサルタント業や医療の分野もグローバルになるなどジョブチェンジが進み、国際理解教育ではなく、グローバル教育にどんどん進んでいきました。

★大学入試改革の影響も中学入試市場が渡りに舟とテコにつかいましたが、本当はこのグローバル教育の拡大を通して、世界標準の学びを見てしまったために、とても国内大学向けの進学指導では、生徒の未来はバラ色ではないということを身に染みて知ったのです。

★21世紀型スキルを学ぶコミュニティをAppleやMicrosoftが牽引したり、OECD/PISAも21世紀型教育を進めたり、私立中高一貫校の中でも独自の21世紀型教育のコミュニティをつくる活動などが広まっていったのです。

★この過程の中で、麻布も新教養主義をうたい、土曜日の教育教養総合講座を開講し、二兎を追うことを宣言したり、海城も高校入試をやめて中学の帰国生入試を開始し、IBを含め世界標準の学びを研究し、世界で活躍するグローバル経済人と会い(子弟が帰国生入試を考えているため)二兎を追う教育は偏差値にかかわりなく広まっていきました。

★そして、海外大学に関しては、まったく偏差値は関係なく、入学時偏差値が低くても、卒業時にシカゴ大学やロンドン大学に進む生徒が輩出されるようになってきたのです。

★そして、STEAMの流れが、実は国内では目立たないのですが、東南アジアやシリコンバレーやMIT、国連などでその提案をプレゼンするコンクールなどにチャレンジする流れになり、グローバル教育とSTEAMが融合する教育に変わってきています。

★おまけに、帰国生の中に、偏差値など眼中になく、アクティブラーニングやPBLのような対話のある授業や受験英語を超える英語教育の環境を求める生徒が増えてきました。その流れが徐々に大きなウネリにもなってきています。

★よしあしはあるでしょうが、小学校高学年の英語の教科化やプログラミング教育は、グローバルSTEAM(G-STEAM)という新しいリベラルアーツを生みだす契機になっていることは確かでしょう。なんでG-STEAMがリベラルアーツか?

★グローバル教育は英語教育ではなく、言語哲学や言語学ベースのレベルになってきています。サイエンスとマスは科学哲学や数学的思考を前提にします。アートは芸術です。テクノロジーとエンジニアリングはデジタルサイエンスなのですが、世界の大学で行われているコンピュータサイエンスでは、教養なきテクノロジーやエンジニアリングは認められません。G-STEAMは自由七科時代のリベラルアーツを現代にアップデートしているわけです。

★ちなみに、東大や京大は世界大学ランキングでは100位にはいりますが、世界のコンピュータサイエンスを行っている大学で、100位以内に入っている大学は、今のところ日本に存在していません。中国、韓国、シンガポール、イギリス、アメリカに占められています。このことは、国内にしか目を向けていないと気づきませんが、世界とのネットワークの中で仕事をしている保護者は身に染みてわかっています。

★このような中学入試進化論を鋭く読み解く受験生や保護者は、増えているわけです。聖光学院や桐光学園は、そのような意識を有した受験生や保護者の目を男子校にも向けさせるモデルケースでしょう。東京エリアの男子校では麻布、海城、聖学院、城北、巣鴨が、そのような進取の気性に富んだ受験生・保護者の目を向けさせる男子校になるでしょう。

★中学入試進化論については、おそらく中学入試専門のシンクタンクの方々が今後発信していくことになると思います。楽しみにしています。

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