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2020年2月15日 (土)

聖学院の思考力入試 市川理香氏の感動取材!12歳の男子が発揮する内なる力を目撃!

★中学受験生が学ぶ過程で、社会に存在する多様な心の壁を突き崩す本物の力を育んでいく教育の機会を入試問題の場でも創っている学校を探している教育ジャーナリストがいます。市川理香氏がその人です。その市川氏が、<12歳の男子が内なる力を発揮する、聖学院の「ものづくり思考力入試」>というすばらしい記事を、首都圏模試センターサイトに寄稿しています。

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(写真は、首都圏模試センターサイトから)

★内容についてはぜひご覧ください。市川氏は、「思考力入試は受験生の可能性を見つける入試であるとの思いを強くした取材でした」と結んでいまますが、そう感じ入った理由が市川氏の視線を追っていくと共感できるように美しく綴られています。

★私は、市川氏が冒頭で「思考力入試の先鞭をつけたのは、まちがいなく聖学院でしょう」と語らざるを得なった理油に少しだけ思いを馳せてみたいと思います。

★記事によると、問1は、「自分がうっかりやってしまう失敗」をレゴで表現し、それをさらに150字の文章として言語化するところから始まてっています。

★このこと自体もう凄まじい問題です。「知識」が学びの中心にあるのではなく、「私とは何者か?」から、もっと言ってしまえば「汝自身を知れ!」という遠くギリシア哲学の時代から問われ続けてきた人間の根本的な「存在問題」についていきなり問うているのです。

★そして、思考力入試を創発している先生方の勉強会では、オットー・シャーマ教授のU理論が学ばれていますが、その実践版が思考力入試になっているのには驚きです。

★人はみな痛みを持っています。しかし、痛恨の失敗から学ぶこともまた多く、自分の痛みや弱みをじっくり省みることから私を知る道を歩むことになります。その入口が問1の役割となっているのです。

★児浦先生によれば、ここは第二の脳である手を使いながら、自らのうっかりを思いめぐらし、そのあとに言語化に転換していくことで、自分の痛みを内なる魂に変容できるということです。その痛みを、聖学院は、賜物=タラントと呼び、そこから才能が溢れてくるのです。まさに市川氏が看破した「内なる可能性」ということでしょう。

★問いが進むにつれ、社会の痛みを表現するデータや情報に触れていきます。最初は「私」という存在から始まりますが、次は「私たち」という存在に広がっていきます。私for私たちとなるわけです。これはオンリーワン・フォー・アザーズという聖学院の理念そのものです。

★さらに問いが深まてちくと、人間存在の根源的痛みを生み出している地球規模の問題にぶつかるようになっていきます。この根源的存在が根本的問題に触れたとき、稲妻が走ります。それを解決しようという意志と解決策というアイデアです。

★しかしながら、それが共感を生むかどうかは、仲間と共有することでしかわからないのです。だから、市川氏の洞察力は、次のように最後の共有の時間の価値を高く評価するのです。

<自分の作品について、他の受験生に言葉で説明します。その後、他人の作品の着眼点や発想を聞いて気づいたことワークシートに書くのが、「共有」と呼ばれる最後の時間。人の意見に耳を傾けて、自分の意見と比べたり、なぜそう思ったのかを受け止め改良したりする姿勢が問われます。>

★聖学院の「ものづくり思考力入試」は、どれだけ知識を獲得し、すばやく使えるかを表現する入試ではなく、自分の可能性を聖学院でどれほど見出していけるか、私のポテンシャル=タラントを表現する場だったのです。12歳の春、少年は人間として大地に自らの足で立ち、仲間と共にたちはだかる物心両側面の壁をぶち抜いていく意志を強くするのです。そんな宣言を高らかに謳う自己表明の場が聖学院の思考力入試なのです。強い意志を、自らの痛みから生み出した人間ほど強く優しいハートを持って生きて行くことができるのはないでしょか。

★明日、2月16日(日)、児浦先生は「新中学入試セミナー」で、思考力入試で育つ生徒たちの姿を語ってくれます。

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