2020中学入試 3つめの動向。高い意識の女子受験生の誕生。
★<本日、首都圏中学入試ピークに!新しいウネリか混迷のウネリか予想不能な真っ只中で。>という昨日の記事の中で、2020年の中学入試市場が支持している2つの価値観を紹介しました。
★それは、①「基礎学力+最難関大学の合格実績」の実行力を果たしていることを評価する価値観。②「破格のイノベーション教育とグローバル教育進学実績の期待値」が大きいことを評価する価値観。
★そして、今回女子の動向も見てみると、くっきり3つめの価値観が映し出されました。
★2020年1月31日現在(首都圏模試センター「出願倍率速報」から)で、東京と神奈川の女子校で、昨年より出願総数が上回った女子校を調べてみました。次のようになりました。五十音順で並べてみます。
★跡見学園
★桜蔭
★神田女学園
★恵泉女学園
★晃華学園
★麹町学園女子
★香蘭女学校
★湘南白百合学園
★昭和女子大学附属昭和
★女子学院
★女子美術大学付属
★白百合学園
★桐朋女子(2020年2月1日現在)
★東洋英和女学院
★富士見丘
★雙葉
★日本女子大学附属
★立教女学院
★和洋九段女子
★桐朋女子のようにこれから昨年の出願総数を上回る女子校もでてくるでしょうが、2月1日直前までに出願総数を上回った女子校は、強烈な共通点があるので、並べてみました。桐朋女子も2月1日に総数を上回ったのですが、やはり共通したところがあるので、いっしょに並べました。
★それは、トレンドならなんでもやってみてなんとか生徒獲得をしようという付和雷同をしない女子校群だということです。このラインナップの女子校は、21世紀においてジェンダーギャップを払拭して活躍する進取の気性に富んだ女性を育成する独自の教育観をもち、その強い信念を貫いている学校です。
★そのうえで、新タイプ入試を取り入れたり、午後入試を設定したり、今年のようにプチサンデーショックを巧く活用したり、破格のグローバル教育を実施したり、骨太論文編集指導をしたりしている創意工夫に富んだ経営と教育を形成している女子校です。やはりここでも中途半端ではない徹底的に信念を貫き通すマインドで教師も生徒も満ちている雰囲気があふれている女子校ですね。
★残念なことに、女子受験生のすべてが、このような自律/自立したマインドを有しているわけではありません。正解がある問題をコツコツやらないと気が済まない受験生もいます。それは男子も同じではないかといわれるかもしれません。
★たしかにそうですが、おそらくジェンダーギャップを生み出すシステムを受け入れてしまっているので、女子受験生の方が多いでしょう。女子校の先生自体が、女子は男子と違って、わかりやすさや順序だてての説明、コツコツ知識を憶えていくのが得意だとまったく根拠のない話をされる場合も多いのです。そのような女子校は残念ながら生徒応募はどんどん減少していますね。JGに進むような生徒は、もちろんそれも得意ですが、そこらへんは、実にちゃっちゃと済ませ、もっと面白いことに思いを馳せるのが得意です。
★世の男性中心社会がそういっているだけで、私たちはそんな罠にはひっからにわよ。フリはしておいたほうがよいときにはそうしておくけどと。JGでは毎朝礼拝があります。世界の問題を考える時間です。ただ祈るのではなく、痛みを共有し、どうすべきか提唱するところまで語るわけですが、それは理事長のみならず、教師も、生徒もその機会があるのです。
★女性は男性とは違い生真面目な受験勉強が得意でなんていう発想は、SDGsで解決しなければならない格差社会やジェンダーギャップを生み出す可能性があります。20世紀型教育はそうだったかもしれませんが、もはや21世紀においてそれは認められません。そういうことに鋭い意識や娘の未来に思いを馳せたときに、上記のような強い信念をもった女子校を選ぶのです。そして、そういう高い意識の女子が選ぶ共学校もあります。
★中学入試において、女子受験生の意識が大きく2つに分かれるようになったのは、2020年中学入試の大きな特色でしょう。
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