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2020年2月24日 (月)

京都のノートルダム 動き出す(6)ノートルダム女学院中高の内なる通奏低音が響きだす。

★小学校入試が中高入試より3月ぐらい前に実施されます。そのため、ノートルダム小学校が先に外部に情報を公開し始めましたから、小学校が先行して動いているように見えますが、ノートルダム女学院も昨年夏くらいから先生方が一丸となってウネリをつくりはじめています。内なる通奏低音が鳴り響きはじめたのです。その響きとは何か?

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(令和2年新春教員学びの研究会の分かち合いのシーン)

★中高になると、カリキュラムは、かなり専門性が高い教科の学びとそれを縦横につなぐ探究型の学びのスクランブルが起こります。複雑系になるので、全貌をスッキリまとめることはなかなか難しいのです。

★そこを理解しないで、無理やりまとめると、大切なものを削ぎ落して進んでしまうリスクがあります。かといって、そのまま複雑系を放置しておくと、カリキュラムは拡散し、雲散霧消していくのはエントロピーの法則です。生徒は自分の足場をどこに置いているのかわからなくなり、進むべき星座を見失います。

★ノートルダム女学院の先生方1人ひとりは潜在的能力が高く、暗黙知に基づいて創意工夫しています。しかし、その潜在能力や暗黙知のクオリティというものは、目に見えないもので、世の人びとは、どんなに大切な本質的なものでも、目に見えないものはスルーしてしまうというのは世の常です。

★世の中は、わかりやすい偏差値や大学合格実績で、右往左往するというのは、今始まったばかりではありません。戦後学歴社会が進行する中で、その指標が岩盤のように多くの子供たちの才能開花を阻害する重石になってきました。戦後日本にやってきたノートルダムのシスターは、そうならないように活動してきたのですが、そう簡単ではありませんでした。しばらく、ノートルダムはいばらの道を歩んでいくことになります。

★ノールダム教育修道女会の願いとは反対の方向に日本社会は動いてしまったわけです。そのことが、日本社会にどんなネガティブな影響を与えてきたかは、3・11以降、戦後の日本の政治経済社会、産業社会がどんな酷いことをもたらし、閉塞状況を生み出してきたかを明らかにしました。もはや説明するまでもないでしょう。

★NHKがミヒャエル・エンデの社会に対するメッセージをドキュメンタリーで追跡して以来、欲望の資本主義のリスクに対する警鐘を、特集で手を変え品を変え放映してきました。なんとかそこから脱することはできないのかと。

★表面的な大学入試改革は、どうしようもないことになっていますが、その根っこは、NHKの編集方針と、政府とメディアの関係からいって、問題もあるでしょうが、今はそれは括弧に入れておいて、ともかくもシンクロしています。それはSDGsの世界の動きとも連動していて大いに結構ですが、そのための21世紀型教育は、まだ始まったばかりです。

★この教育は、こんどこそ第4次産業革命やソサイエティ5.0社会に移行した時に、かつての改革革命が必ずそうだったような光と影のジレンマを生むことがだいような創造的才能を子供たちに開花してもらうことが目標でもあります。

★そうなってくると、20世紀産業社会の修正工業化時代の延長上で21世紀型スキルを伝授する教育では、脱却できません。新しい脱工業化時代や経済社会の構想力と実現力を生み出す真/新の21世紀型スキルの開発が必要になってきます。

★となると、ノートルダム女学院の出番です。「恐れることはない。遠くにいくには、みなで協力して歩いていくことだ。すると、時は経っても後から栄光は必ずやってくる。」そうカトリック精神の通奏低音が鳴り響きだしているのです。

★学歴社会に与することをせず、その後からゆっくり歩きながら時の来るのを待っていました。そのために本質的な「徳と知」を積み上げてきたのです。その潜在的能力の無限の可能性を有しているノートルダム女学院だからこそ、今こそ出番なのです。(つづく)

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