2020年中学入試の新タイプ入試の動向 東京エリア
★中学入試において新タイプ入試は一つのポジショニングを獲得したかもしれません。かつては2科・4科入試によって、知識→応用→発展→基礎学問という学習の才能にたけている生徒のみを、結果的に受け入れて生きた中学入試でしたが、新タイプ入試の登場によって、創造→発展→応用→基礎学問という流れで学問の基礎を築ける才能者も受け入れられるようになってきたということを示しています。ここでいう基礎学問はもちろん基礎学力とは違います。基礎学問は、リベラルアーツといってもよいかもしれません。
★ともあれ、東京エリアの新タイプ入試の応募者数をみてみましょう。男子校は、圧倒的に算数一科目型が応募者を集めています。しかし、聖学院のように、東京エリアで唯一無二のシステム思考を駆使した思考力入試も総数にしてみると79名です。本番までにはまだまだ増えるでしょうから、男子校において聖学院は独自の確固たるポジショニングを得たといえましょう。
★女子校では、共立女子、昭和女子大附属、桐朋女子は、聖学院のシステム思考とまではいきませんが、骨太の思考力型入試で、やはり確固たるポジショニングを得たといえましょう。
★男子校と女子校では、適性検査型で確固たるポジショニングを得る学校はありませんでしたが、共学校は、宝仙理数インターと、聖徳学園、郁文館、開智日本橋がポジショニングを得たといえましょう。公立中高一貫受検生にとって、共学校の適性検査型を受けるというのは自然な行為ということでしょう。
★共学校の場合、思考力型入試では桜美林、かえつ有明がポジショニングを得えいるといえましょう。特色入試型では八雲学園が、そして算数一科目入試では三田国際が圧倒的な勢いを感じさせます。
★新タイプ入試は、各スタイルの入試で圧倒的な勢いのある学校がそれぞれ存在し、牽引することによって、新タイプ入試全体が、ある意味デファクトスタンダードのポジションニングを創出したということではないでしょうか。
★誕生当初は、変な入試、謎の入試と言われてきましたし、今でも2科目4科目入試のように評価ができないから邪道だとか言われもします。しかし、受験生の才能に思いを馳せれば、正解のある問題と同様の評価システムが使えないから排除するという論理そのものが見直されなければならない時期にきているのかももしれません。
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