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2020年1月26日 (日)

工学院のPBL 生徒自身の「探究」行為をマインドセット③

★プログラムは、今年の新春恒例の箱根駅伝で区間新記録を出して注目を浴びた青山学院大学の吉田祐也選手の話からでした。吉田選手は実は今までがんばってエントリーメンバーではあったものの箱根駅伝で走る機会がなかったのですが、大学4年になってようやく出場でき、青山学院の優勝に貢献したわけです。

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★吉田選手は決して速くなかったし、強い選手ではなかったのに、いかにして変容したのか、一体何をどうやってここまきたのか推理するという作業からあ始まりました。まずはポストイットで個人ワークです。思いつく方法をどんどん書いていきます。そして、チームで持ち寄って、カテゴライズするわけです。

★このKJ法的手法は、基本セオリーで、どの教科でもPBL授業をやると取り扱うことが多いのですが、今回は吉田選手が区間新記録を出せるようになった理由を追究さるためのものではなかったのです。

★吉田選手の、ある意味、ビフォー・アフターのギャップを埋める方法をヒントに、実は自分がある目標を到達するためには、何を行うのか、その項目を探すことが目的だったのです。5項目決めて、その強み弱みをレーダーチャートにします。

★だったら、はじめから、5項目決めてレーダーチャートを作ってでよいわけですが、それでは、あまりに主観的すぎます。ですから、チームで対話しながら、自分の気づかなかった方法もシェアしていくというプログラムにしたのです。

★そして、自分でつくったレーダーチャートを再び互いに見せ合い、アドバイスをし合うという次の段取りに進みました。そして最終的にさらに改善して、目標達成のためのプランをたてるということになったのです。ここでもプロトタイプをつくり、それをリファインするという手法が埋め込まれていました。

★プロトタイプをつくるときに対話し、リファインするときにも対話をするという「対話」によって、セルフコンディショニングをマインドセットした行くのですが、このシンプルなセルフコンディションイグの制作とリフレクションの創り方は、PBLという<新しい学びの経験>を最終的に完成させる営みだったのです。つまり、ここから始まったのですが、それがPBL授業や探究の終わりでもあったのです。もちろん、終わるやまた新たなステージが拓けるのですが。

★PBLとは探究そのもので、その最初は、自分はいかなるもので、どこにいこうとしているのか自分でプランを立てるわけです。しかし、今までの授業は、客観的な目標を与えられ、どう進めていくかではなく、目標を達成したかどうか、端的に点数がどれだけとれたかだけを評価されてきたわけです。

★これでは、いつまでたっても、セルフコンディショニングはできません。セルフコンディショニングとは、保健体育と家庭科の協働によって創られた今回のワークショップの実施により、認知と情意と精神運動のトータルな自分創りの方法だったということがわかりました。

★自分の「認知と情意と精神運動」の3つの関係総体が最適化される状況を、いかに自分で創るのか?なんとこれはブルームのタキソノミーの応用であり、工学院の「思考コード」のバリエーションでもあったわけです。

★そして、自分で創るといっても、仲間との対話は欠かせないというのが今回のプログラムの重要なポイントだったわけです。

★PBLとは、自分とはいななるものかに思いを馳せ、それを実行していく方法を考えるところから始まる探究そのものだったのです。ということは、「習得」→「活用」→「探究」という流れになるアクティブラーニングとは実は全く違うものだったわけです。

★PBLは、探究そのものであり、自分とは何かに思いを馳せ、その輪郭を描き、内容を詳しく描いていく実にアートな過程なのですが、その過程は当然試行錯誤ですから、最初の先入観や独断が、多くの対話や議論、論文や文献リサーチによって、仲間やまだ見ぬ研究者あるいは見識者と内観的対話によって、どんどん変容していきます。

★今回のセルフコンディショニングは、あらゆる教科の授業及び単元のはじめで行う習慣ができるとよいわけだというのが柴谷先生や片瀬先生の発想です。その際、自分はこの授業やこの単元にどうかかわっていくかという感じになるので、個別具体的になるわけですが、そのような個別具体的な多様で多角的な経験が、キャリア全体をデザインする時の私とは何者かのリソースになるはずです。

★主体的・対話的で深い学びをしたいのならば、私は何者かから出発しなければならないでしょう。知識を憶えるところから始める前に、このマインドセットから始めることが実は大切なのです。そこからはじめれば、知識を憶えることは暗記ではなく、リサーチになります。知識の活用は、知識の再構成という編集行為に変容します。だからこそ対話や議論はますます大切になります。多角的にリサーチし、編もするには、異質な価値観や考え方を考慮することが大切だからです。

★しかしながら、異質の価値観や考え方を受け入れるには、実は認知の側面より、オープンマインドなど情意が豊かでなければなりません。頭で考えているだけではなく、まずやってみようという精神運動的な俊敏力も必要です。また、始めた以上やり抜く耐性があたり前になっている=身体自動化になっている必要があります。

★今回のセルフコンディショニングは、実は画期的で探究のエネルギーを生み出すという根源的生成のマインドセットだったのですが、この認識到るには、もう一つのワークショップが必要でした。つまり、ワークショップのワークショップがさらに展開していったのです。

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