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2020年1月11日 (土)

自由と市場と組織と国家(20)桐朋女子の中学入試問題 思考力の根本から出発

★いかなる悪条件下にあろうと、悪循環の事態が起こっていようとも、そこで鬱屈することなく、屈することなく、諦念することなく、希望を、生きる意味を見出せる創造的な才能が、新しいシステムを創り出す才能が、周りを巻き込み、新しい世界に導くリーダーシップがあれば、Z世代の未来が拓く希望はあるでしょう。

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★何をそんなに大げさなと言われるかもしれませんが、世界はリスク社会の大膨張時代にはいっています。ことは日本の事だけではありません。むしろ、日本にだけ目をむけていると、このリスク社会大膨張時代の事態に気づかないかもしれません。

★しかし、そんな窮屈なリバタリアン社会だからこそ、逆手にとって、自由な空間を創ることはできます。私立学校だったり、塾だったり、学びの場を創り出すことはできます。リバタリアンは、自由は大好きです。でもそれが非対称的な格差を生み出すことには無関心です。そこは極めて問題だし、その中で、優勝劣敗主義で生きて行くと、悪循環のシステムにからめとられていきます。

★自然破壊は相変わらず放置され、学歴社会のような格差社会は強化され、人間精神は崩壊していきます。そして世界に目を向ければ、そんな日本は国際社会から評価されず、非難され続ける存在になるでしょう。

★ここを抜け出るには、しかし、強い監視社会や権力行使社会ではないので、自ら自由な空間を創ることはできるのです。その空間を創っているのがいくつかの私立学校ですが、桐朋女子もまた、この悪循環社会を脱する社会をデザインできる知を生み出す自由な創造的な空間を創っています。

★それは、桐朋女子の中学入試問題を解いて考えてみればわかります。知識がなければ解けない問題を出題するのではなく、ない場合でもどうやって考えていくのか思考の根本に立ち戻るところから出発する問いが投げかけられているのです。

★私は、この≪自由な創造的空間≫を創っている私立学校の先生方や塾の先生方とこの思考の根本から出発できる能力を子供と生徒と共有できる≪新しい学びの経験≫を生み出していますが、そんなときのテキストとして、桐朋女子や麻布の中学入試問題だったり、聖学院や工学院の思考力入試のメソッドも参考にします。

★最近、いくつかの私立小学校の先生方や私立中高の先生方とは、これらのメソッドをベースに、ハーバード大学の知見や文化人類学の知見などをICTを介して生み出す活動をしています。

★また、GLICCで鈴木氏、福原氏、神崎氏と協働してクリエイティブコースを開設しています。そこで、桐朋女子の中学入試問題を活用する時もあるのですが、たとえば「一定」という概念を、身体感覚をまず通して直観に変換する思考の根本から出発していることに気づかされます。これを麻布の入試問題と掛け合わせると、「限界」という概念を直観化できます。そのとき数学的思考の「=」ということについて考えることにもなるのですが、小学校4年生といえども、複眼思考を嬉々として発揮するのです。

★おそらく、この身体感覚で全体感を感じ取り、それを身体化し直観に転換するスピードはAIもまだまだ追いつかない思考の根本かもしれません。

★レヴィ・ストロースに言わせれば「野生の思考」ということでしょう。≪自由な創造的空間≫の≪自由≫とは、工業化時代における非対称性を生み出す層の「自由」とはわけが違います。悪循環社会を好循環社会に変える≪自由≫です。権力者のための自由ではなく、希望の自由です。

★桐朋女子の自由をベースにした教育は、この希望の自由を教師と生徒が大事にしていく教育でしょう。その一つのエビデンスが同校の中学入試問題です。やはり入試問題は学校の顔なのです。

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