12月15日21世紀型教育カンファレンスを終えて(了)21世紀型教育機構は経営陣と教師と≪Z世代≫生徒が共に未来を創る。
★今回のカンファレンスで司会の私がしゃべりすぎて、パネルディスカッションの部の時間が少なくなってしまいました。猛省。しかし、聞くべき内容は登壇者の皆さんが本音を言う機会を創るのが本意ですから、予め考えていた問いの流れは無視して、それぞれの学校の得意な部分や登壇者の興味と関心のある部分に絞って問いを投げることにしました。
★すると、やはり、率直な話がたくさんでて、会場からも笑いがたちあがり、なかなかいい雰囲気だったらしいです。「だったらしいです」というのは、ナビゲートしている私自身はそれを感じる余裕はなかったわけで、あとで、参加した何人かの方々からそうお聞きしました。
★たしかに、吉田先生をはじめ登壇者のみなさんは、明快にこのままでは日本は終わる。教育が本当に大事な世紀なのに、文科省や政治家には任せていられない。私立学校で踏ん張っていくしかないとか、国内大学の講義などの環境は、昔ながらで21世紀型教育を経験した中高生は、進学して唖然としてしまう。自分たちの学びの環境を生かせる大学を探すか、海外大学に進む以外に道はないだろう。ただ、お金の問題はあるから、奨学金などの情報を収集して、そこをもっと広げていきたいなどという話に沸きました。
★機構の事務局の鈴木氏からは、ドバイで帰国生対象の説明会を行ったら、21世紀型教育を実施している学校の情報が浸透していなく、紹介すると、日本にもそういう学校があるのかと興味と関心を抱く保護者がたくさんいることに気づいたと、まだまだ情報を世界に広げていきたいと希望の話題がでました。
★長塚先生をはじめ、登壇者の一致する見解は、≪Z世代≫生徒が責任ある行動をとりながら、自分たちの期待以上に翼を広げ社会実際的(オーセンティック)な学びの活動をすることに気づいたということでした。そして、今までの自分たちはどこかで生徒を子ども扱いしすぎてきたのかもしれない、これからはもっと翼を広げられる環境を充実していきたい。そのカギはPBLだねという話も出ました。
★八雲の近藤隆平先生は、自分たち教師が環境を創ってあげるではなく、生徒が海外で学んできたことを自分の学校で実現していける柔軟な環境を準備していく方がよいと。平方先生も自分たちの学びの環境に自信をもてるようになったが、やはり世界から学び続ける姿勢は今後も大事であり、だからこそアップデートし続けられると。
★そして、自分たちの理想も、現場の教師の力がないと実現はできないのだと。教師力の重要性も語っていました。
★かくして、日本の島国的な教育水準を破って、世界標準のエスタブリッシュスクールの教育の質を身に着けようとする21世紀型教育機構という未来を創る私立学校のコミュニティは、破格の水準の教育の質を切磋琢磨し協働して構築してきたことが了解できました。そして、そのことはカンファレンスに参加してくださった方々と共有できたと思います。
★21世紀型教育機構のような私立学校のコミュニティは、加盟校が10数校ですが、保護者が学費という形(助成金も含めて)で投資していますから、年間120億前後の資金調達がなされています。ただ、株式会社と違うので、利益はゼロサムです。
★ですから、企業のコンサルとタント会社のようなシステムでは利益がでないので、入り込まないのが普通です。入り込んでも、それは大学附属の中高ですが、学校側のコーディネートがいないので、ほとんど成功しません。
★ですから、コミュニティを結成し、アクレディテーションなどによって、一定水準の教育の質を形成し、それを土台に各学校がさらに独自の教育を展開していっくならば、保護者の投資はより効果的になるはずです。120億というのはそれが可能な資金力でもあります。コミュニティの意味はこういう経済ベースの側面も無視できないのです。
★しかも、21世紀型教育機構は、若い先生方が教育研究センターを開設して、横のつながりによって、相互に学び、パワーアップしていきます。教師だけではなく、≪Z世代≫生徒どうしも協力するようになってきているのです。
★また、海外研修なども最近では協働するようになってきているので、世界からも共に学ぶようになってきています。
★グローバル教育3.0が完成すれば、各学校で抱えきれない留学生がやってきた場合、機構内の学校同士でカバーし合うようになるでしょう。ICTの進化は、互いの授業のシェアもするようになっていくでしょう。
★機構の草創期の私のサポートはかなり強引なものでしたが、わがままを受け入れていただき、共に未来を創る学校コミュニティづくりに参加させていただけました。そして、事務局も組織化し、加盟校同士の協力関係も密になりました。今回のカンファレスの総合司会をさせていただき、しみじみそう感じました。
★私の仕事は、利益をあげるベンチャー企業などでは全くありません。保護者の投資を、教育の質のアップに転換するサポーターとしての役割を果たす仕事です。今後は、こういう仕事をする若者が利益を上げるのではないのですが、生活ができるぐらいの収入を得てコミュニティーサポートをできる組織化がなされていくとよいでしょう。
★私にはその才覚がありませんでした。自分の仕事をベースにしてきましたから、機構のサポートは、どうしてもその合間で行う程度になっていました。しかし、もはやそんなことではできない多様でダイナミックな動きを機構は開始したのです。私の役割は一定の貢献はあったかもしれないものの、この局面にいたっては、終了です。自分の尺度のなかでサポートしていたのでは、機構の発展は阻害されるからです。
★来年の2月の和洋九段女子の中学入試セミナーのサポートが私の最後の役割になります。よりパワフルなコミュニティは、若き才覚ある起業家の皆さんにお願いし、新しい学びの生態系として発展していくことを期待しております。
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