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2019年12月 5日 (木)

ノートルダム学院小学校 <新しい学びの経験>=Peer Instructionを開く(2)

★松谷先生の社会科の授業も、梅下先生の理科の授業同様、PI(Peer Insruction)を導入していました。また驚いたことに、コンセプテストは、トビー先生が英語で語りかけていました。これも理科の時と同じです。

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★日本のある輸入品が急激に減っている年が示されているグラフを提示し、この輸入品はなんであるかを多肢選択から選ぶ問いでした。“import”という英単語がわからなかったようですが、それを察知して、梅谷先生がさっと図を提示しました。

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★生徒たちはすぐに了解し、選んだ選択肢の番号をクリックししました。すると、みんなの反応が、瞬時にグラフで表現されました。

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★「石油」が大半でしたが、「生糸」や「車」なども選ばれていました。松谷先生は、梅下先生同様、この段階では講義はしません。まずは、Peer Instructionをする機会を設けました。その際に、幾つか他のデータを示し、多角的に考えてみるとどうなるか問いかけました。

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★一瞬にして白熱教室となりました。そして、もう一度選択肢を選び直します。すると、今度は「石油」を選ぶ生徒が増えました。

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★松谷先生も、ロイロノートで、生徒1人ひとりの自分が選んだ理由を書き込んだものを回収していましたから、それを使って、なぜ「石油」を選んだのか、幾人かの生徒にプレゼンする機会を設定しました。

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★1941年は、日本が第二次世界大戦に突入した時代で、当時石油の最大輸入国であったアメリカが経済制裁を行ったからという見事なプレゼンがなされていました。

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★歴史的因果関係をフローチャート化してわかりやすく説明してくれました。

★これには松谷先生も、驚愕し、もう説明する必要がないくらいだねと讃えました。このようなグラフの急激な異変は、自然に起こるというより、何か人為的な戦略が働いているものです。松谷先生は、このグラフの捉え方を通して、第二次世界大戦にかかわらず、国と国が敵対関係になったとき、同じようなことが起こるという歴史的視点を生徒と共有していくのです。

★なるほど、コンセプテストは、その問題を通してさらに大きなあるいは普遍的な何かを考えるトリガークエスチョンだったのです。

★ノートルダム学院小学校の授業は、ある一つの知識から多面的で深い思考にまで広げていく<新しい学びの経験>ができる対話型・議論型・プレゼン型の価値あるものだと了解。これが、小学生にとって大事な学びの経験でることは、説明するまでもないでしょう。

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