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2019年12月23日 (月)

自由と市場と組織と国家(01)

★昨今の大学入試改革や教育改革、学びや探究のことなどなどについて、多くの方が[自由]に論じているかのようですが、その自由は[ ]付きです。[ ]とは何らかの条件のことをここでは意味しておきましょう。

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★こんなに簡単な図には現実はならないのですが、近代社会の延長上に位置する20世紀社会は、[市場と組織と国家]に国民は完全に回収されていますから、その枠組みの中での[自由]です。しかも、直接組織に所属しているか、フリーランスでも市場のプレイヤーになっている限りは、組織と関係してしまっています。

★したがって、どう[自由]に語ろうとも、その組織の影響を免れることはできません。ですから、改革といってもこれもまた[改革]なのです。

★市場は、自由だといっても、それぞれの組織の思惑がありますから、たいていの場合、その思惑は企業秘密とかいうことで隠されていて、それゆえ、市場にばらまかれている情報は非対称性の性格を持っています。情報格差が生まれていて、その格差をテコに市場で儲けている人は一握りいるわけです。

★この格差をなんとかしようというという[改革]もあるでしょう。

★しかし、市場は民主的で[自由]はあるほうです。組織は、依然として階級構造が組み込まれていて、富の再配分は、組織内では市場経済が、働いていないのが通常です。ここは資本を巡る力学で決まります。

★ここの改革は厄介です。それを突破しようとしたのが、今回の[高大接続改革]だったのですが、民主的でない組織に対し、それをいきなり求めても、しかもスキだらけの提案では突破できなかったのもやむを得ないでしょう。だいたい文科省、つまり官僚組織が民主的ではないので、そもそも無理があるのですがね。。。。

★ともあれ、問題は国家の税金運営の民主化なり市場経済が組織内で働いているかですが、どうやらそれもそうでないのは、昨今の大臣たちのスキャンダル報道でも見え隠れします。しかし、野党もそこをつつくだけで、自分が属している政治家という組織そのものの非対称性、非民主的性格にメスをいれるということはないわけです。すべてはトカゲのしっぽ切りでおわり、安泰です。

★ですから、様々な議論を繰り広げているジャーナリストや東大の教授たちも、どこの組織を守るべく論じているのかという自己モニタリングが必要なのですが、そんなことをする人はいないのです。

★せめて、学者あるいは科学者は中立の立場で、どの組織の利益のためでなく、社会全体の利益のために論じてもらいたいのですが、国家の税金運営の仕方にどう対応するか、つまり補助金確保のためには、そうもいっていられません。

★さてさて、どうしたらよいのでしょうか?生きることと自分の本来の考えと違い、そこの葛藤に個人的に深く悩む方も多いでしょう。心療内科が儲かるようにできているのも20世紀社会の特徴ですね。しかし、それは個人の問題ではなく、この[自由]が[市場と組織と国家]の体制との関係で規定されてしまうという社会システムの問題です。

★しかも、この20世紀社会は、ますます悪循環を繰り返し疲弊しています。いまの≪Z世代≫をこの中に閉じ込めておいてよいのかというのが未来創造のテーマなのです。この20世紀社会の改善がSDGsのテーマですが、改善ではなく、かなりいろいろな部分の価値の転換が必要になってきます。

★さてさて、どうしたらよいのでしょう。21世紀社会のデザインをして、そこに向かってみんなでがんばるというのも悪くないですが、現実味はありません。では、どうするのか?年末年始にかけて少し考えてみようと思います。

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