12月15日21世紀型教育カンファレンスを終えて(04)日本における英語教育改革は命がけである。
★順天の学校長であり文科省の多面的評価に関する分科会メンバーでもある長塚篤夫校長の講演は痛快まるかじりでした。日本の初代森有礼は、日本語の英語化政策を唱えるなど急進的かつ自由主義的教育政策を提唱し、国粋主義者に刺殺され命を落としたといきなり始まりました。
★そして、今回の見送りで萩生田文部科学大臣は、命拾いしましたねえとアイロニー。もっと命をかけて改革しないと今の子供たちの未来の日本はどうしようもなくなるよと警鐘をならしました。
★しかしながら、高大接続改革が座礁したわけではなく、着実に進んでいるのですと。それなのに、メディアはそこをきちんと伝えずに、混乱している混乱していると改革までとん挫しているかのように報道するものだから、世間は錯覚してしまいますと。
★とにかく、1点刻みの評価からコンピテンシーを評価する。どういう能力が備わっているかをみる評価に変えるというのが、今回の高大接続教育改革の根底にあり、大学入試改革が第一義ではないのですと。
★それにしても、現在東大の合否は、0.0001点刻みですよと自校の東大合格者の成績表を見せながら話してくれました。この評価に意味があると思う人はまずいないでしょうねと。
★以上のような前振りをしたあとで、多面的・総合的な評価について語りました。特に新学習指導要領では、指導要録が学力の三要素「知識・技能」「思考力・判断力・表現力など」「主体的に学びに向かう態度」の観点別で記載していくようになるわけですから、この評価へのチェンジは実に大切なのです。
★ただ、長塚校長は、もしかしたら、きっちりこれもできないかもしれない。適当に今までのものを振り分けて記載することになるかもしれないと。というのも、この多面的・総合的評価を自分の学校で取り組めるようになったのは、PBLという学びができるようになったからで、今までのような講義形式の授業では、この新しい評価はできない可能性があると。
★今の生徒の未来を創る教育は、PBLと多面的・総合的評価がカップリングされているということでしょう。もしこれができなければ、生徒の未来はたいへんなことになると、海外の評価方法と比べてエビデンスを示しながら、長塚校長は語りました。できるところと、できないところで差がつきながら、自然淘汰されていきますから、結果的に改革は進まざるを得ないということでしょうか。ここはコメントを避けていました。
★ともあれ、順天では中学入試において「多面的入試」を導入しているが、これもルーブリックを作成して評価できる体制ができているからだと。この多面的・総合的評価の取り組みこそが順天の21世紀型教育の成果であると長塚校長は明快に語ったのです。。
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