順天学園 指導要録変更に伴う「本質的アップデート」着々
★昨日、順天学園は、校内研修会を開催。なぜかそこにちょこんと立ち会うことになりましたが、それは今までにないすばらしい経験でした。テーマは、新学習指導要領における生徒指導要録が変わることに伴う多面的・総合的な評価を生み出すためにどのようにルーブリックをつくり、それを活用していくかということだったと思います。
★トップダウンで決まっていくというのではなく、4側面の評価プロジェクトがたたき台をつくって、教師全体と議論をし合いながら、同時に各教科で作成していくというプロセスでした。
★生徒指導要録というのは、大学入試のときなどに提出する書類にもなるものですから、極まりなく重要なことはいうまでもありません。その書き方の正当性・信頼性・妥当性をプロジェクトチームが多角的に検討し、提案をしていきます。
★今回の新学習指導要領では、学力の3要素を明快に表現し、それに基づいた観点別評価を指導要録に盛り込むようになっています。ただフォーマットが変わるというのならそれほど議論は必要はありませんが、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学びに向かう態度」をそれぞれ評価していかねばなりません。
★すると、この3要素の評価をどのように測定していくのか、ミニテストの在り方、定期テストの在り方、教育活動の在り方のシステムも変更しなければならないのです。もし、今までと同じやり方で行っていった場合、ルーブリックが使いにくいので、煩雑になり、ただでさえ忙しい先生方の業務が破裂します。
★しかし、先生方は、知識技能・思考力中心の評価だけではなく、もっと多面的に生徒の才能を見出すことができるようになるのは歓迎です。そのためにはルーブリックは有効だと考えているので、そこはなんとかしようと信念を共有しているのです。
★しかも、すでにできあがっているルーブリックの使い方をみていてもすごいところは、生徒とそれを共有しているところです。ですから、自らの弱み強みを生徒自身も見出すことができるわけです。
★これが順天学園の強さです。どういうことかというと、主体性を創り出す高次コミュニケーション能力が教師同士、教師と生徒、生徒同士で充満しているのです。
★高次コミュニケーション能力とは、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」という認知的側面はもちろんのこと情意的側面も充実していることが条件です。
★この両側面が統合されているからこそ議論ができるのです。議論は白熱してきます。それは成熟した情意的マインドセットがそうさせるのです。
★成熟したマインドセットとは、受容と発信、組織化と個性化の動的平衡が保てるということです。そして、その維持のために価値づけを吟味できる正義の配分もできるということです。
★テストや教育活動の処理の手続きの変更が、今までの蓄積を生かしながら行われていきます。それに関連する授業や行事などの仕掛けも変わっていきます。新しい学習ツールやICTの活用、PBL授業の活用など、学力の3要素をどのように盛り込み、どのように測定していくのかというシステムを考案し、実行していくことで、今までのリソースを生かしながらアップデートが形作られていくのです。
★本物の教育改革とは、こういうことを指すのだと確信しました。
★12月15日カンファレンスでは、そのようなすさまじい教師チームによる順天学園の教育の成果について長塚校長から話を聞きたいと思います。
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