アサンプション国際小学校(01)対話が柔らかい活力ある組織を創る。
★アサンプション国際小学校は、21世紀型教育改革を実施して3年が経ちました。したがって、3年生までは共学のクラスになっています。しかしながら、改革の準備は1年ありましたから、組織としては、改革にむけて4年歳月をかけています。イマージョン中心のコースとアカデミック中心のコースができていますが、どちらも共通しているのは、PBL型授業と論理的・批判的・創造的思考まで生徒と共に楽しむことです。
★4年前、PBLの研修を先生方といっしょにやっていったとき、私のアプローチは、手法を教えるのではなく、先生方1人ひとりの潜在的PBL手法を形式知化し共有していくやり方です。改革まで1年しかないのに、そんなやり方では遅い、やり方を教えて欲しいというグループもありました。
★しかし、一方で、本間さんの言うことは解答を教えるわけでもないし、カタカナの言葉も多いから、何言っているかわからないけれど、その言葉の理解ではなく、ワークショップの経験から自分たちが気づいたコトに着目すれば、腑に落ちるところが多いかもしれないと理解するグループもありました。
★私は経営組織の改革担当ではなく、あくまでPBLを通して、先生どうし、先生と生徒、生徒と生徒が<学習する組織>に変容していくサポート担当ですから、この経営組織の葛藤は、じっとがまんしていました。つまり、<学習する組織>と<統率型組織>。
★一時期、<学習する組織>を創ることに共鳴していた私の最も信頼していた三宅教頭が人事異動で改革同士校にいきましたから、事実上私は研修をやることができないでいました。ところが、今年になって、三宅先生が副校長として戻ってきて、4年前<学習する組織>としてPBL型授業を生成していこうとする蒲生先生が教頭になり、そのころからPBL授業において傑出していた阿弥先生、ち密で論理的な今泉先生、ダイナミックな授業展開をする海見先生などと再会を果たしました。また、<学習する組織>を歓迎する丹澤先生も校長に就任したのです。
★急にPBL授業は広がり、<学習する組織>は回転し始めました。
★実におもしろいのは、一時期の空白の間に、先生方は経営組織がどうあれ、<学習する組織>の1つの柱「自己マスタリー」を続け、自分で着々とPBL授業の本質を見極め、アップデートしていたのです。
★ですから、PBLの授業をどうやっておこなっていくのかというステージから出発する必要はなかったのです。しかも、4年前に出会った<学習する組織>グループの先生方は、新しく入ってきた若い先生方も巻き込んで、<学習する組織>も生み出していましたから、新任の先生だからPBL授業の初歩から始めましょうという必要もなかったのです。
★じゃあ私は何をするのか?それは先生方の授業45分を丸ごと見学して、見学しながらリサーチペーパーをアクティビティのロゴに変換して、授業の特徴を見える化します。そして、授業終了後フィードバックとは呼んでいますが、そのリサーチペーパーをきっかけとして<対話>をします。
★その<対話>は、見学させていただいた先生と蒲生教頭と私の鼎談方式になります。できるだけ、気づきが生まれるように、課題を明快にできるように対話していきます。特に私の方はダイレクトな授業そのものの価値だけではなく、その授業を通してどんなインダイレクトな学びを生徒がしているのか対話していきます。ダイレクトとインダイレクトのギャップが気づきを生み出すからです。
★それから、学年によって、つまり生徒の発達段階に応じてPBLのやり方や思考の広がりは違います。先生方はそこはいつも葛藤です。ついどこまでもやろうとする真面目さがあるからです。
★そこは、蒲生先生のカリキュラムマネジメントの問題だからと自分の課題と学校という<学習する組織>の課題を分けていきます。蒲生教頭はそこで得た気づきをカリキュラムに循環させるように学内でまた対話を仕掛けていきます。
★対話やコミュニケーションが内側から組織や社会を生成していくという社会理論がありますが、アサンプション国際小学校は、まさにそういう柔らかい活力ある組織に変容していたのです。
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