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2019年11月29日 (金)

対話の世界(6)聖パウロ学園 思考スキルとデフォルトモード記憶のループを創発。

★聖パウロ学園は、PBL授業をはじめ対話を大切にする教育を展開しています。すべての生徒の「自己肯定感」を高める教育を気遣っているからです。そして一方で、そのためには、自由な発言、すなわち豊かな思考力を養わなければならないのですが、いったい思考力とは何でしょう?

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(左から国語科高橋先生、英語科大久保先生、数学科松本先生)

★研修部の先生方は、表面的な思考力の話ではなく、きちんと本質的な意味での思考力について常日頃考察しています。今回もある実験をして、仮説を立てていました。

★まず、ありし日のセンター試験における国語の現代文の設問1問を任意に選択し、提示された現代文を読まずに、解くところから始めました。多肢選択の問題ですから、先生方は、選択肢の分析と分類によって正解を絞っていきます。そして、見事に行き着きます。

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★次に、どうやって考えたか各人がプレゼン。すると、国語科と英語科の先生は「思考スキル」でアプローチし、数学科の先生は、集合論的なアプローチで説明していました。そして、思考スキルと集合論の関係を考えると、なんのことはない、思考スキルは集合論と重なり合う部分が多いということに改めて気づいたのです。

★言語的思考と数学的思考の接点が見えたということでしょう。数学科の松本先生は、文系の数学と理系の数学のカリキュラムを考えたとき、微積にまでいきつくかいかないかというより、集合論の扱い方で再考してみようかなと何か閃いたようです。

★さらに、文章を読まなくても、特に国語科の高橋先生はあっさり解けたのは、だいたいたとえば、「今回のデザイン」に関する論説文だと、よほど創造的破壊をする作者でない限り、だいたい同じ方向性で書いてある場合が多いので、その記憶も参照して考えるとかなりの確率で絞ることができますということでした。

★そこで、「デザイン」を中心に、マインドマップを広げていくと、ファイリングから条件反射的に引き出す知識だけではなく、概念や物語や関係などいろいろな記憶があることが改めて明らかになったのです。

★それをすでに知っていて、そのことについては考えなくてもそこから出発できる記憶という意味で、デフォルトモードネットワークとして、漢字や英単語、理科社会の空欄補充を埋めるような知識から論理駅な文章や物語まで文脈知識、数学の解法パターンのような順序や手続きの知識というものを、学んだあとに格納し、思考スキルによって引き出して、組み合わせて思考していく。

★そして、思考すると、再びデフォルトモードネットワークが広がるという、記憶と思考のループ全体を思考と言っているのだということが見えてきました。

★私たちが普段、知識暗記型の学びから思考型の学びへといっているのは、この記憶と思考のループの拡大再生産のことを言っていたのです。知識暗記型といったときの知識は、空欄補充を埋める条件反射的な丸暗記の話に限定していたわけですね。

★こうした本質的な議論が、カリキュラムにすぐに生かされ、授業で展開していけるスピード感が聖パウロが人気のある学校の1つのそして大きな理由でしょう。これは、すなわち、スモールサイズの学校の大きな特色と言えるでしょう。

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