クックパッド×静岡聖光×聖学院(4)料理創りは世界の平和を創る。
★午前中の料理創りのプログラムが終わると、次は学びのスペースに移動してワークショップ。小竹さんによると、最初に料理創りを持ってきたのは、先生方とスタッフとの対話によってそうなったということです。
★最初にインプットするより、まずは体験したほうがよいのではないかということのようです。なるほど、料理創りのプログラムにしても、学びのプログラムにしても、<知識>からではなく、<経験>から学ぶというのはセオリーなのでしょう。もともと料理創りはlearning by makingとして、すでに大きな意味では学びですから、同じ根っこをもっているのは当然なのかもしれません。
★しかもクックパッドは、全世界に拠点を有しています。<料理>は音楽や美術やスポーツ同様、世界の共通言語です。もちろん広い意味でです。
★そうなってくると、コミュニケーションという<置換>ができるわけですが、そう捉えなおすと、世界中に<コミュニケーションの断絶>がなんと多いことか。この断絶の壁をなくしていくことは、それだけでもう世界の平和を生み出す源泉でしょう。そんなことを思い描いていたら、最初のワークショップは、「料理とジェンダー・ギャップ」というテーマでした。
★ファシリテーターは、クックパッド株式会社の久井田宙太郎さんでした。日本における男性と女性の料理の時間の違いなどたくさんのデータを生徒のみなさんと共有し、料理におけるジェンダーギャップを考えていくワークショップでした。
★男子生徒にとって、料理は最も身近で最も遠い存在でした。なるほど、最初に料理創りのプログラムを始めたのは、身近であるにもかかわらず、無関心だった料理を楽しんで創意工夫してつくることによって、個人的な出来事(日本では自分事という言葉が流行っています)としてかかわりをもつ体験をしようということだったのですね。
★それは成功だったと思います。かかわりは<愛>を生みだしますから、料理を自分にとても大切なものだと生徒たちは思い始めました。その料理で、ジェンダーギャップをこんなに生んでいる日本社会。それでよいのか?という新たな課題が自分の内側から湧きだしてきているではありませんか。
★SDGsの学びを行っている両校では、ジェンダーの問題をなくすことが、17の中のグローバルゴールズの1つであることは知っています。ですから、彼らは、なんてこったジェンダーの問題を生み出しているのは遠くの大人だけではなく、なんと自分からも生み出しているではないかと痛みを感じたことでしょう。
★男性ももっと料理を楽しみ、ジェンダーギャップをなくしていくことは、自分たちも始めることができるのだと。そのコミュニケーション行為は世界平和につながるアクションなのだと。もちろん、この段階では、まだモヤッとしていましたが、次の児浦先生のレゴ®シリアスプレイ®につなぐ、内発的モチベーションに火が付くには十分すぎました。
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