« 新しい思考力生成(04)首都圏模試センターの「思考コード」を授業に変換すると、工学院と聖学院の新しい動きとシンクロする。 | トップページ | 新しい思考力生成(05)首都圏模試センターの「思考スキル」を麻布の問題にアレンジして使ってみる。 »

2019年11月14日 (木)

対話の世界(5)聖パウロ学園 思考のメカニズムについて対話が広がる。

★聖パウロ学園の教師は、生徒の思考力や発想力が豊かになるにはいかにしたら可能かというテーマと同時に実際的な学力を向上することはいかにしたら可能かという複眼的な視野、言い換えれば、鳥瞰と虫瞰の視野を往復しています。あるいは、ダイレクトとインダイレクトな世界の両義性を意識しながら対話します。

Dsc04695

★授業もそうです。たとえば、同校の主幹である小島綾子先生の国語のPBL型授業では、生徒は、羅生門と羅城門の比較をグループワークで議論し整理した後、芥川龍之介がなぜ今昔物語を参考にしつつも、新たな世界を創っていったのかについて議論し、レポートにまとめていきます。

★羅生門と羅城門という複眼思考もそうですが、文学を分析することによって、文学を通しながらも同時に評論的な世界も創り出していくという複眼思考を育てています。

Dsc04763

★この時期、高3の進路をサポートしつつ、同時に来年以降のカリキュラムのアップデートについても対話しています。研修部では、小島綾子先生と高橋先生から、国語科で話し合った「思考スキルと3年間のカリキュラムのシークエンスの関係性」について発表があり、それに刺激を受けて、数学科の松本先生は、さらにその思考スキルから世界制作の方法を抽出して、国語科の提案をさらにブラッシュアップする提案をしていました。

★英語科の大久保先生は、Can-doリストをもともと作っていたのですが、そこに思考コードと思考スキルを埋め込んで、国語科と言語の教科としてつながるかどうか試行錯誤に挑戦してみるという提案もしていました。

★こうした考えを、言語化していく作業を通し、最終的には統合されるのでしょうが、今はまだまとめずに、互いの意識の中に生まれる相乗効果を大事にして、当面対話を続くていくということです。

Dsc04768

★6時間目は、オーストラリアの修学旅行から帰国したばかりの高2のグローバルコースと高1のグローバルコースの生徒対象に、外部講師を招いて「海外大学準備教育」の講演会も開催されていました。海外大学に実際にいくかどうかだけではなく、国内と海外という複眼的な視野を育てる豊かな学びの一環でしょう。

Dsc04651

★教師も生徒も、複眼思考や両義的な世界を見ることができる能力を豊かにしていく宇宙が聖パウロ学園なのでしょう。

 

 

|

« 新しい思考力生成(04)首都圏模試センターの「思考コード」を授業に変換すると、工学院と聖学院の新しい動きとシンクロする。 | トップページ | 新しい思考力生成(05)首都圏模試センターの「思考スキル」を麻布の問題にアレンジして使ってみる。 »

創造的対話」カテゴリの記事