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2019年10月31日 (木)

工学院のPBL授業の深い学び(01)2人の数学教師に学ぶ①

★工学院のチーム田中(TGプロジェクト)のPBL授業研究も佳境にはいってきました。授業を見学(リサーチ)後、その先生と田中歩教務主任や私と一緒に対話しながら、リフレクションを簡単に行います。そこで、気づきが相互に起こります。放課後、チームメンバーが集い、その授業をスクライビングしながらさらに多くの気づきを共有していきます。メンバーの教科が違うので、発想もまた違いたいへん興味深いのです。

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★今回も多くの気づきを私は得ました。2人の数学の先生の授業を見学して、チームでシェアをしました。まずは、堀口先生の高1の数学授業。素因数の<世界>がそこには広がっていました。数の分野は、数学の得意な生徒にとっては非常におもしろいといいますが、私の中高時代は、さっぱりでした。

★しかし、工学院の生徒は、その世界を楽しいでいるではありませんか。いったい何が起きているのか?私自身は最初すごいアウェイを強烈に感じました。しかし、だんだんその理由が了解できるようになってきました。

★たんたんと問題の解法を説明して、板書し、生徒はそれを写すということをやっているわけではないのです。机こそ島をつくってやっていませんが、生徒は自由に話しながら、堀口先生の話に耳を傾けつつ、質問したり自分の考えを伝えているのです。

★クラス全体がPI(peer instruction)の生態系になっているのです。

★それもそのはずです。数学の解法以前の基礎的な話をしているのです。つまり数学的な哲学対話ですね。論証を書いていきながら、先生が生徒に、ところで、どこか論理的に抜け落ちているところはないかなあと問うわけです。生徒が堀口先生の論証に突っ込みをいれていきますから、教師と生徒がいっしょに論理を組みたてていきます。しかも、堀口先生がわざと抜けをつくっているわけではなく、たぶんそれでもいいじゃないかと思えるレベルのモノをさらにクリティカルシンキングで洗練させていくというのが本意のようです。

★しかも、その論理の組み立ては、他の教科とちょっと違っていました。それは分解と合成を繰り返す仕掛けでした。これって数学的思考の一つの大きな特徴ではないかと気づきました。分割と合成の数式がどんどん置きかけられてシンプルな関数式に結実する美しさに生徒は魅了されているのでしょう。もちろん、無意識でしょうが。

★そうかと思えば、ビッグ・クエスチョンが飛び出します。素因数の中で一番大きい数字は何だろうね。これって、発見すればすごい賞金がもらえるほど大事な話なんだけれどというや、素因数の世界がそこには一気に開けます。もちろん、そう簡単にはわからないわけです。その意味を語っていくと、AI社会の話に直結していく数学のロマンがそこには広がるわけです。

★数学の授業は、感動するものだということに気づいたのです。

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