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2019年11月 1日 (金)

順天「グローバルウィーク2019」のZ世代の希望

★昨日、順天の「Global Week 2019」に参加してきました。いつもは、取材という立場ですが、今回はファシリテーターとしてワークショップを生徒の皆さんと開く側として参加しました。この企画は、中学高校生、大学生、大学院生、小中高校の先生、大学の先生、 企業や団体の職員が、立場を超えて様々な課題に取り組む 講座群です。

★70 を超える数のトピックが用意されていて、そのうちの1つなんて実に光栄でした。各講座は、講義形式、グループワーク中 心、実習や工作などの多様な形式だということです。

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★生徒8人と渡辺孝藏理事長と尾近裕明先生(英語)10人とワークショップができました。アクティビティごとに島をつくったり輪になって対話したり教室中の机と椅子を動かしながら学びの進化の過程をたどれる空間をみんなで創りながら展開してていきました。このワークショップの空間名は「未来を創る学校」で、ここで学ぶ今回のテーマは「世界制作の方法を創る」というものでした。

★誰かが造った「世界制作の方法」を活用して、世界を理解したり、世界を造るのではなく、自分たちで創った「世界制作の方法」を活用して世界を認識し、世界を創造していくという展開でした。90分フルに対話できたし、創ることもできました。こんなに対話を楽しみ、思考に集中し、互いに自己開示し、未来を創り、その創った世界制作の方法を自ら組み立てていくリフレクションを楽しめるチームがすてきでした。

★それに渡辺理事長も尾近先生も学習者として生徒といっしょに学ぶ学習者中心主義のワークショップになっていたのは感動的でした。

★最初は「世界」といっても人によってイメージが違うので、アクティビティ<ぐるぐる>で、互いの考えやイメージを出していきました。何周もするので、それぞれが違う考えを出すだけではなく、自分の中でも多様な見方が湧き出てくることに気づいていきます。

★ウォームアップができたので、いよいよ世界を認識する視点をみんなで生み出そうと、もう一度<ぐるぐる>で、「物体X」をどう認識するか開示していきました。3周目くらいから、「物体X」から離れて違う事象と結びついたり、自分の想いが加わるなど膨らんでいきました。

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★次に、この経験をリフレクションするアクティビティです。黄色のポストイット一枚にどんな視点で認識していたか書き出し、それらをカテゴリー分けしていきます。グルーピングしていくわけです。いろいろなアイデアが立ち現れていました。そして、それがまとまったところで、各グルーピングの名称を付けました。

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★今度は、別の島に移って、名づけしたピンクのポストイットだけで、それらの関係について議論していきます。具体的な黄色のポストイットの山が数枚のピンクにシンプルにまとめられていく過程が島をのこしていくことによってわかります。すぐに順天のZ世代は、具体と抽象の関係という視点を見出していました。

★緑のポストイットを使って、関係をうまく表現していたアイデアには驚きました。世界を創る方法とは、自分たちの内側にすでにあり、それを開示して互いに議論して創っていけるという手ごたえをこの段階でもう共感したのでした。

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★さて、世界を認識する視点はまとまったので、次はいよいよ世界を創る方法にシフトしました。トビタテで留学した生徒や物理と哲学に関心を持っている生徒やリベラルアーツに関心がある生徒、自らの変容に関心がある生徒、教育に関心がある生徒、国際関係に興味と関心がある生徒などちゃんと自分を見つめている生徒が参加しているということもだんだん互いにわかってきました。共通しているのは、デストピアではなくユートピアを創りたいという熱い想いでした。それはみんなで未来の世界を創ったときに明らかになりました。

★とにも、創造とは何か自らのイメージと自分がどんな未来を創りたいのかあるいは迷ているのか、アクティビティ<スピードデート>で共有していきました。

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★そして、みんなのそれぞれの想いをすべて満たす未来を描いてみようというアクティビティ<learning by making>に移行していきました。見事に一人のアイデアも取り残さず、つなぐことができました。多様なアイデアを一つに統合するのではなく、それぞれのアイデアが生きるつながりを表現していました。

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★そして、再びリフレクション。世界認識のリフレクションと同様のスタイルなので、加速度的に議論が進みました。

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★最終的に、シンプルな「世界制作の視点」コードができてしまったのです。こうして「世界認識の視点」と「世界制作の視点」を自分たちでつくることができたのです。世界の見方や作り方の<メガネ>は、自分の内側から生み出し、議論することで創り上げることが、まずは世界制作の方法のスタートです。

★教育に関心がある生徒は、今の日本の教育が「世界認識の視点」でとまっていて、「世界制作の視点」を合わせて「世界制作の方法」を自ら生み出す教育はまだないですねと。

★もちろん、これから「世界制作の方法」はアップデートしていくことが大切だということを確認したうえで、まずは、今回自分たちで生成した「世界制作の方法」が活用できるか、エッシャーの絵やラストアイドルの青春トレインのダンス、デュシャンや草野心平の作品の世界を分析してみました。

★時間がなかったので、そこはあっさりでしたが、通じる手ごたえは十分でした。オリジナルでなおかつ世界で通用するかどうかアップデートしていく学びの経験を持続していくことが、クリエイティビティを生み出していくでしょう。根源的に大事なところを誰かが造ったパッケージを鵜呑みにして学んできた今までの経験から解き放たれる(という表現を生徒はしていて驚きました)ことの大切さを、今回共有することができていたならいいなあと思います。

★そのあとも、幾人かの生徒と対話を深める機会を頂き、順天のZ世代の世界への関心の豊かさに接することができました。生徒のみなさま、理事長をはじめ運営に力を尽くされている教職員のみなさま、すてきな機会をありがとうございました。Global Weekはまだ続きます。皆様の内なる想いに、すてきな秋の知の実りが結びますことを期待しております。

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