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2019年10月 2日 (水)

2020年からの中学入試(25)新しい女子校の希望 和洋九段女子

★OECD加盟国の中で日本の女性の社会進出度は、後ろから数えて2番目という醜悪さです。したがって、現政権は女性の社会進出に道を開こうとして必死なわけですが、新しい女子校である和洋九段女子は、目指すべき志や世界的視点が全く違います。

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(和洋九段女子フューチャールームは知の拠点)

★少子高齢化だから、女性も働けば生産労働者人口を補えるという発想や家事をIoTで代行し女性を労働力として活用しようとか、社会進出して女性は輝くとかいう発想は、ないよりましですが、それはすべてGDPの右肩さがりを抑制するための政策で、根本的な社会の問題が放置されたままです。

★和洋九段女子は、全校挙げてSDGsに取り組んでいますが、これは、現状の男性中心社会を持続可能にし、そこで女性が社会進出する学歴や資格を身につければよいのだという以前からあるそして今ご紹介したような発想にも通じる従来型の女子校の発想では全くないのです。

★SDGsに取り組んでいる団体には、実際にそんなことを考えないで、ただマーケットで流行っていて儲かるからという理由で行っているところもあります。そのような時流を巧みに利用する団体はSDGsに限らず、たとえば、復興支援という名の下で行ってしまうところもあるぐらいですから、悲しいことに従来型の欲望経済社会の中で女性の社会進出を果たそうとすることに結果的になってきたということは否定できないのです。

★しかし、和洋九段女子は、そこに一石を投じます。中1でSDGsの考え方を徹底的に学びます。中2でSDGsに取り組んでいる企業研究をします。どう取り組んでいるかだけではなく、その企業のSDGsの取り組みがどのような社会的インパクトを生みだしているのか、社会にどれくらい貢献しているのか、その企業価値は自己利益のためなのか社会的な繋がりの中で生まれようとしているのか、徹底的にインタビューしています。

★このインタビューの活動は、実は事実を調べるというだけではなく、SDGsの本来的な価値を共有できるかという根源的な問いを企業側に投げかける創発行為です。

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(中3はSDGs双六をつくって、ワークショップを行います)

★中3では、SDGsの考え方を自分たちで世の中に広める社会貢献活動を主体的に行っています。たとえば、文化祭の時に見学できたのですが、SDGs双六を自ら創り、参加者とワークショップを行い、リフレクションして、社会がどのように変化したらよいのか互いの気づきを共有するのです。

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★ファシリテーターは、もちろん中3の生徒が自分で行います。こうした活動ができるのは、和洋九段女子のすべての授業がPBL(プロジェクト型の学習)になっているからです。

★高校になると、沖縄平和学習、過疎地の町おこし活動、キャリア教育などで具体的にSDGsと絡んでいきます。

★もちろん、シンガポールをはじめとする海外研修や海外大学準備教育においてもそれは一貫しています。

★なぜ和洋九段女子はSDGsなのか?それは自然を破壊し、格差社会を広げていった男性中心社会に替わる新しい循環型社会を構想する力を身に着けることにつながるからです。イノベーションによって右肩下がりの従来型の欲望経済社会を活性化するのではなく、イノベーションによって新しい循環型社会に変えるという意味でチェンジメーカーとして社会進出する女性を育てるのが新しい女子校としての和洋九段女子なのです。希望の新しい女子校です。

 

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