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2019年10月30日 (水)

内田先生ありがとうございます!日本の教育の足りない点が明らかになりました。

★聖学院の学びの実践家であり理論家であり研究家である内田先生が、前回の私の記事をシェアしてくれました。すると、内田先生の友達が「おもしろうそうだけど、新コードって欧米にすでにあるのではないか」という趣旨のコメントを書き込まれていました。内田先生は丁寧に返答するすてきなコミュニケーションを行っていましたが、この友達のコメントに別の機会でも私も同様の事を述べましたが、日本の教育の足りない点が指摘されているのです。そこに光をあてるなんてすてきすぎますね。

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(今月、聖学院で行われた「未来を創る教師セミナー」で行われた内田先生のワークショップのシーン。同セミナーのサポートを私もさせていただきました)

★どういうことかというと、欧米にはあるけれど日本にはないということなのです。それは文化的な差異で、なくてもそれはそれでいいのではないかと思われる方もいるでしょうが、ないことによって、どんなに英語が堪能な生徒が欧米に行って議論しても、なかなか思考を交換することができないというケースが多々あるのです。サポートという役割やものづくりの作業という役割をチームワークの中で果たすので、それなりに活動価値を感じて帰国するのですが、多くの生徒が、やはり議論をもっとしたかったし、考えを交わしたかったと振り返るのです。

★それが、その生徒の能力というよりも、教育の差という構造的なものだとしたらどうでしょう。そんなこと気にしなくていいじゃないかと国内にいると思われるかもしれませんが、世界のコミュニケーションはデストピア的関係が多いですから、そこをのり超えたり解決したりすることができないのはやはり問題でしょう。欧米の生徒の教育を知っておくことは必要なのです。

★日本でも国際バカロレアのDPにあるTOKを学んでいる一握りの生徒はそれを知っていますね。しかし、一般の生徒はなかなかその機会はありません。

★そんなわけで、そこを補充する教育も必要です。欧米に既にあっても、やはり一握りの生徒が体得してている学びなので、教育格差はなくなりません。そこを開いてしまおうというのが今回のプロジェクトです。どうせやるならTOK以上のパワフルさでと。

★それに欧米にそのままあるわけでもないので、アレンジしたりバージョンアップしたり編集したりする作業は必要です。内田先生と学びの情報交換をしていて楽しいのは、私が不得意な学びの理論を持っているし、実践しているので、刺激的です。

★内田先生の得意としている理論と私の得意としている理論が相乗効果を生みだして、あらたな学びの経験が生まれるときはなかなスリリングで楽しいです。私の得意としている理論は欧米ばかりでなく、十牛図の世界や岡倉天心、九鬼周三の世界も加わります。TOKは東洋思想は意識して排除していますから、そういう意味では欧米にもあるけれど、日本にもあった理論といえるかもしれません。

★重要なことは、理論を生徒の学びにあてがうのではなく、実はその理論は、すでに子供たちの内側にあります。それをまずはいっしょにカタチにする作業から始めるのです。

★思考コードも最初作ったときは、かかわったメンバーの内なる可能性をスキル化したわけです。まとめるときに、使いやすい理論をベースにしたということはあります。ところが、マーケットに広がった瞬間、そのことは忘却されて、つまり本質部分は捨てられてしまうものです。痛しかゆしですね。

★やはり、コードは、教育現場で教師と生徒とともにその都度つくりリファインしていく循環が肝ですね。いずれにしても、ここ数年、内田先生とワークショップのコラボをさせていただきながら、ヒントを頂きました。ありがとうございます!

 

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