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2019年10月10日 (木)

2020年からの中学入試(27)新しい女子校の可能性を2科4科の思考コード分析で考える

★新しい女子校は、新しい世界観、新しい哲学、新しいパラダイムを創る可能性が高いですね。それは男子校にも言えるのですが、何せ女性の虐げられ方は、日本ではすさまじい。それゆえ、女子校というのは、特殊現代日本の社会構造上の問題を引き受けていると考えるのは間違っていないでしょう。

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(2科4科重視型の女子校の中で、気になる女子校のデータを調べてみました。)

★女性の社会進出のあり方は、ざっくり3通りあります。1つは、パラダイムチェンジメーカー型社会進出。今までの社会制度そのものを変え、そのパラダイムチェンジメーカーとしてのリーダーシップを発揮するタイプ。これは中学入試で<新タイプ入試>を行い、授業も<新しい学びの経験>を創出している女子校がそれである。富士見丘、和洋九段女子などが筆頭でしょう。

★しかしながら、2科4科だけもしくは、2科4科を重視している女子校の場合、国語の入試問題で創造的思考を必要とする問題を出題しているところがそうです。上記の表(データは、晶文社「中学2020受験案内」から)でいえば、田園調布学園、フェリス女学院、日本女子、桜蔭、立教女学院がそうでしょう。

★2つ目は、イノベーション型社会進出。イノベーションを起こす研究者や開発者としてリーダーシップを発揮し、結果的に社会が変わっていくというタイプ。

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★これは、数学的思考を重視している女子校です。白百合、洗足学園、フェリス女学院、立教女学院、雙葉がそうでしょう。

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★3つ目は、アッパー層型社会進出。社会制度がどうあれ、その社会の中で男性と競争して、勝ち抜けばよいというアッパー層を狙うタイプ。

★2科4科の問題を思考コードで分析していみると、桜蔭、雙葉、フェリス女学院、立教女学院、白百合がそうでしょう。

★こうしてみてみると、3つのタイプすべてに顔を出しているのがフェリス女学院と立教女学院です。多様なリーダーシップが生まれる女子校だということでしょう。

★入試問題は学校の顔。その学校の先生方の知恵が反映しています。その知恵は、建学の精神も学校文化も背景に含みます。学校情報の重要のリソースです。解けるかどうかももちろん大切ですが、その学校の授業文化の質を調べるには、絶対的な資料といえましょう。ここをきちんと分析している晶文社の学校案内は必見ですね。

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