2020年からの中学入試(29)中学入試問題で出題される詩が新しい世界を開く
★<相互主観>はまあいいとして、<相互客観>とか<相互存在>なんて言い出した本間はついに狂ったかと思われている方もいるでしょう。もともとそうじゃないかあという人も当然いるでしょう。まあ、20世紀は未開人、子供、狂人の発見の時代と言われていますから、前世紀に生まれた私としては、それでも構いません。
★しかし、まど・みちおさんの詩が中学入試で出題されているということは何を意味するのでしょう。最近雙葉は詩の問題は出題しないようですが、30年前までは、雙葉と言えば、筑駒と同様、詩のすてきな問いが出題されていました。筑駒は、今でもなかなか素敵な詩の問題が出題されています。
★さて、当時雙葉が出題した詩の問題にこんなのがありました。
<どうぶつえんのタヌキ
どこにもいない>
★タイトルの方が詩よりも長いというか、両方で詩なのでしょう。この詩を出題して、問いはこんな感じでした。
<どうしてタヌキはいないのですか?>
★子供たちは、そんなのタヌキに聞いてみなければわからないよねとすぐに反応していました。しかし、この反応がすごいですね。子供たちは、タヌキを客体としてみていないのです。
★雙葉の先生としては、正解はなく、相手に伝わるように、説明していれば〇ですよということでした。
★これはすごいですよね。すでに<主観―客観>図式を超えてしまっている子供たちの世界観を、入試の世界で受け入れているからです。もっとも、今や雙葉はそういう問題を出題していないのは残念です。
★期待は、まど・みちおさんの詩を筑駒が出題することです。過去10年、結構ひらがな詩を出しているのですが、まど・みちおさんはまだ出題していません。もっと前に遡れば出題していたかもしれませんが、記憶にありません。そうだとしても、そろそろ出題していただきたいですね。特に、上記写真の詩集。この詩集は、まさに<interbeing>の世界です。
★かつて麻布が、たしか40年位前でしたか、工藤直子さんの「ライオンの哲学」という詩が出題されたことがあります。これは擬人化された詩と読むこともできますが、麻布は、ライオンそのものの世界観に気づくかどうか楽しんで論述問題を出題していました。
★ライオンに世界観があるのか?まるで、オックスブリッジの問題ですね。「カタツムリに意識はあるのか?」とか「リンゴについて説明してごらん?」などという口頭試問の問題に匹敵します。
★ジョン・レノンが、インスピレーションを得た、オノ・ヨウコさんの詩「聞いてごらん、地球の回る音を」もすごいですよね。中学入試の問題に向き合うことは、これからの宇宙世代の小学生にとって、新しい世界に気づくチャンスなのかもしれません。世界観のパラダイムシフトのチャンスは、逆説的ですが中学受験の中に隠れています。
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