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2019年10月31日 (木)

工学院のPBL授業の深い学び(03)2人の数学教師に学ぶ③

★放課後は、チーム田中(TGプロジェクト)で、2人の数学教師のPBL授業のスクライビングと気づきのシェア。この一連の記事の冒頭部で、チーム田中が佳境に入ったと述べたのは、スクライビングのあとに思考コード分析をショートカットして、数学的思考とは何かという哲学的な対話にすぐに進んだことを示唆しています。

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★最初、新海先生の授業のスクライビングでは、アナログとデジタルの両方を活用することの意味は何かという問いをみつけ、対話しました。多角的な視点を生徒が自ら見出し、適用できるということではないかという考え方に収束していきました。

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★堀口先生の授業のスクライビングでは、論証過程の中にやはり数学的思考の特徴があるのではないかという問いを見出し、対話しました。よく論理的思考と言われますが、各教科ごとに、その論理の仕掛けが随分違うことにメンバー全員が改めて気づき、ただ論理的思考が大切だと言っていても生徒にとっては空虚な言葉ではないかという気づきが生まれてきました。

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★田中歩先生は、2人の数学の教師のアプローチの違いに気づき、工学院の数学教師全員の特徴もその場で思い巡らしました。そして、教員免許をもつことでは数学教師としては同じでも、実は教育学部で学んだのか、理学部で学んだのか、情報系で学んだのか、工学部で学んだのかなどによって特徴があるのではないかという仮説をたてていました。

★もしそうだとすると、工学院の数学科として統一した何かをというより、違うんだということを生徒と共有することの方が大事だという話になっていました。PBLという授業を共有していくと、統合されたものというより、それぞれの教科の特徴のみならず、教師の背景にある学問の違いまで見えてくるわけです。

★キャリアデザインとか探究というのは、実は教科の授業を運営する教師の学びの背景にこそ大切なものがあったということでしょう。

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★メンバーが堀口先生と新海先生の授業分析をしている一方で、2人は、互いの数学的思考の特徴の違いを確認し合っていました。もしその違いを共有していなければ、自分の世界が数学的思考の世界であると無自覚になっていたかもしれない。同僚の学び合いも必要なのかもしれない。

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★もちろん、正解はありません。これから深めていけばよいことですが、教科を超えて哲学対話ができるチームにアップデートしていたことに参与的観察者のつもりが、感動してしまったのです。

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