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2019年9月 7日 (土)

2020年からの中学入試(03)世田谷学園 関西でもその人気を聞く。

★もともと世田谷学園の評判はいろいろなところで聞いています。しかし、最近、男子校の中で特に目立っていると聞き及びます。前回ご紹介した北一成氏の論考も、最初に登場してくるのが世田谷学園です。統一合判でも小学校5年生の人気が上昇してきています。これは未来志向の進取の気性に富んだ保護者が注目しはじめたのかもしれません。

Setagaya

(2019年の同校の<算数一科入試>の問題。同校サイトから)

★最近驚いたのは、関西のある大学の企画室で中高のサイトのリサーチをしているメンバーの話を聞いたときのことです。彼は、学校のサイトのクオリティと有効性の相関を独自に調べていて、コストがどれくらいかかるかまでフェルミ推計よろしく推定しています。

★私も学校をみるときどういう視点でみるのか聞かれるので、自分なりの考えを述べます。ですから、情報交換が自ずと生まれてくるのですが、そんな中で、世田谷学園のサイトのクオリティが実によいのだと。とりあえず首都圏と関西圏合わせて、50校くらい抽出してデータ整理して分析しているのだがと細かい分析を見せてくれたのです。

★まだたたき台だからということですが、なかなか説得力がありました。やはりシンプルでコストがリーズナブルなサイトがよいということらしいですね。彼の場合は、カリキュラムの内容についてはまったく分析せず、サイトの機能性とコストだけに集中しています。

★ですから、私の見方とは違い新鮮でした。サイトの構成は、作り手の頭の構造や発想が反映しているというのが彼の持論でした。もちろん、その学校の教師が1人で作っているわけではなく、外部の専門家と編集ミーティングをしながら協働していくわけですが、外部に丸投げの場合ときちんとというか明晰にビジョンと仕組みの意味を伝えられる教師集団かどうかは同じコストをかけても出来は大きく違ってくるというのです。

★そういえば、今春の「算数一科入試」の問題がサイトに公開されていますが、すべて論理的思考を要するものばかりですが、何より解き方が多様で、数学的にはどの解き方でいくかある程度見通しを立てる直観力とか想像力とかを必要とする問題ばかりです。

★上記の立体の問題は、3次元を2次元にしていますから、頭の中で再現しなくてはなりません。そのときに、絵というイメージを表現しようとするのか、規則性とまではいかないけれど、数式で進めるのか子供たちは思考するでしょう。

★2科4科の算数の問題は、どこかで見たことがある問題で、解き方を当てはめれば解ける問題が70%はでるわけです。ところが、世田谷学園の<算数一科入試>では、見通しを立てる数学特有の直観を大切にする問題がずらりと出題されています。

★受験生の平均と合格者の平均が10%以上ついているし、満点の受験生もいたようです。数学とは、解答が決まるから正解のない問題を考える体験がしにくいといわれがちですが、それは解き方を当てはめたら合格できる問題ばかりを解いてきたからでしょう。

★イギリスのAレベルテストでは、最終的な解が正しくても、解く過程によって、スコアが変わります。かりに計算間違いで解が間違っていても、解き方の過程がシンプルで合理的で美しければ満点スコアがつくときもあります。

★世田谷学園のこのような問題は、解説自体は論理的です。ですから思考コードではB2くらいなのですが、どのような論理を展開するかという最初の一撃は、思考コードではC2くらいの力を使います。

★実は算数が得意な生徒は、目に見える論理的思考力だけではなく、目に見えない発想力や直観力がその前に働いているのです。ですから、解説は目に見える論理的展開から始まるので、解けなかった生徒が解説を読むと、理解はできます。わかるのです。でも、どうしてそういう展開をすることにしたのかは書いてありませんね。ですからちょっと見たことがない問題が出されると、説明されるとわかるけれど、自力ではできないのです。<わかる>と<できる>。<できる>と<うかる>。<うかる>と<ひかる>。この最後の<ひかる>という発想や直観が必要とされる問題がたくさん出されるのが本来的な<算数一科入試>の面目躍如ということでしょう。

★この目に見える思考と目に見えない思考。つまりB軸思とC軸思考は、仮にB軸思考の問題でも養っておく必要があります。しかし、たいていは、そこはスルーされ、このような未知の問題がでてきたときに、出来る生徒は地頭が強いとかいわれるわけです。でもその地頭、すなわち<ひかる>能力はトレーニングできます。

★それはともかく、リサーチャーの話に戻りますが、サイトの構成も、細かい構築よりも、イメージをシンプルに製作者に伝えられるかどうかだということです。石川一郎先生だったら、想像力とデザイン力と自分軸がそろったC軸思考力を有した教師集団がいるということになるでしょう。

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