2020年からの中学入試(12)なぜ三田国際は人気の出る完璧な先進校になれたのか?鬼才田中潤先生の存在の重さ。
★先日14日(土)、三田国際は説明会とオープンスクールを開催しました。すでにご紹介した通り、大入り満員で、体験授業は大盛り上がり。その様子は同校サイトではやくも公開されています。
★このような先進的でかつ明らかに有効な教育を体験すれば、受験生は、ここで学びたいと思うのは必然だし、保護者は、ここで学ばせたいと未来で活躍しているわが子の姿に期待するでしょう。
★そして、何より昨年から新しい学校ができていますが、三田国際に学べといろいろなアプローチをして、その教育内容や広報戦略を研究しています。そんな学校が今までもたくさんありましたし、これからもたくさん出てくるでしょう。それは、アスリートがゴールドメダルを獲った瞬間から、いっせいに一流アスリートから研究されるのと同じで、当然の流れですね。
★しかし、どんなに研究し尽くしても、なかなか巧く行かない決定的な理由があります。それは本当のカリキュラムマネージャーがいないということです。本当のカリキュラムマネージャーとは、自分の教科以外の内容について造詣が深く、教科横断型を深い思考領域のレベルで話せる教師の事をいいます。
(中1の生徒と、メッシュマップというデータマップで、日本の地形を推理する学びを行ってしまう田中潤先生。今年の東大の地理でも出題された手法です。)
★たいていのカリキュラムマネージャーは、自分の教科については深く話せますが、他の教科については、調整して教科の代表に話を振ります。したがって、テーマを共有する程度の教科横断型授業を展開はできますが、思考領域での展開はできません。よって、表面的な教科横断型のアイデアはでますが、それはたんに教師も生徒も忙しくなるだけで、力をためることができません。上滑りしてやらないほうがましという結果になりがちです。
★ですから、そのようなカリキュラムマネージャーのリーダーシップは人間関係調整型で、学際的なリーダーシップを発揮することができません。そもそも学際的なリーダーシップとは創発型リーダーシップですから、創造力と戦略的実効性があります。そういうリーダーを鬼才と私は呼んでいます。
★その意味で、三田国際の教頭田中潤先生は鬼才のモデルですね。ほとんどの学校に存在しないし、三田国際にも田中潤先生をおいて他にいないでしょう。よって、どんなに三田国際を研究しても、同じように人気のでる先進的な学校はなかなか生まれてきません。
★では、どうするか?学習する組織を人工的に戦略的に創るアルケミスト(錬金術師)型リーダーが必要ですね。自身は鬼才ではないけれど、化学反応が起きるような学びの組織化を巧むリーダーです。これは単純に人間関係を調整し、事が起こらⅡように単純再生産型組織を維持する調整型リーダーとはまったく性格を異にします。
(源氏物語が世界最古のベストセラーである理由は、あはれをルールブレイクと置き換えるとわかるとミメーシスやミミクリー的な発想で切り込む視点を田中潤先生は持っています。そして、これこそ「まだ見ぬ教育」のエッセンスであると見抜いてしまっているところが鬼才たるゆえんです。)
★これはなかなか難しいですが、工学院に教務主任の田中歩先生とカリキュラムマネージャーの岡部先生という2人が協力した時、それが起こります。心理学とエスノメソドロジー的社会学のアプローチの融合です。これは、田中潤先生の野生の思考である文化人類的アプローチと同じくらいパワフルです。
★ただし、二人が単純に協力するだけではダメなのです。二人で一人のアルケミストが生まれるメタリーダーシップを発揮する時、その力は絶大です。
★そのとき鬼才田中潤先生が、ミミクリーに登場します。Z世代の進化ぶりの勢いが止まらない工学院が、ブレイクするのは、この両先生がアルケミスト型リーダーシップを生み出せるかですね。
★田中潤先生は、リアルに鬼才ですが、このような先生が他に何人もいるはずはないのです。ミミクリー鬼才が生まれるアルケミスト型リーダーシップをどう構成主義的に生み出すかということがポイントです。工学院はたまたまその例ですが、静岡聖光学院のように、教職員一丸となって鬼才を生みだそうというマインドセットをしている星野校長のようなリーダーシップもあります。
★田中潤先生の鬼才性に気づいた学校は、これから伸びるでしょう。
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