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2019年9月26日 (木)

学習する組織(1)アサンプション国際小中高の連携の兆し 新次元のPBLへ

★アサンプション国際小学校は、全体にPBL型授業が浸透しています。先生方1人ひとりが悩みながらも創意工夫して進んできたのですが、ここにきて自然発生的に<学習する組織>が生まれてきました。それぞれの先生方が自分の授業が果たしてPBLになっているのだろうかという疑問をもち、それを蒲生教頭やPBLの第一人者阿弥先生に相談するようになってきたのです。

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(小1のPBL授業:調べ学習のファイナルアクティビティ<プレゼンテーション>をどうするか生徒と話し合う岡市先生)

★蒲生教頭や阿弥先生は、その質問をいっしょに考えます。その場で回答するというより、実際に授業を見学して、どこがPBLになっているのかフィードバックしていくのです。実にオープンマインドな雰囲気で、いつもPBLのビジョンを共有する姿勢がここにはあります。

★そして蒲生先生は、ときどき私に声をかけ、いっしょに授業リサーチをします。たとえば、岡市先生の授業をみながら、互いにどうフィードバックするか、<いままここ>でを重視し、対話します。互いに見方の差異があることに気づきます。そこを他の先生の授業リサーチをするときに重ねていきます。アサンプションのPBLのシステムは、このような視点が多角的になっていけばいくほどクオリティが豊かになっていきます。

★岡市先生のプレゼンテーションを通して、コンピテンシーや非認知能力のサポートをしているのが私たちの中で明快になりました。そのとき丹澤校長も参加し、蒲生先生にフィードバック。認知能力の部分はプレゼンで終わりではなく、その次につながる問いをどうつくるか蒲生教頭、先生方と話し合っておいてくださいねと。フィードバックのフィードバック。ここには蒲生教頭先生の<自己マスタリー>という自己研究が行われているのです。

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(小1のPBL授業:川尻先生の算数の授業もペアワークをベースにして進行していきます)

★川尻先生の算数の授業は3つの数字を使った数式の考え方についてペアで対話するPBL授業を行っていました。解き方というより、考え方を大切にしています。ここに関しては、算数というより、すでに数学的思考の基礎が含まれているので、アサンプション国際中高のPBLのアップデートプロジェクトの座長中井先生が、別のミーティングで小学校に訪れていたので、質問してみました。分析統合の数学的思考の基礎と置換操作の感覚を学ぶ大事なカリキュラムですねと。

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(左から蒲生教頭、丹澤校長、阿弥先生、中井先生。PBLのアップデートと小中高の接続の創発ミーティングのシーン)

★アサンプション国際小学校中学校高等学校のすべての教育と経営のマネジメントしているのは丹澤校長先生。そういうこともあって、小中高の先生方が、カリキュラム上の小中高接続について議論をスタートしています。そのミーティングにちょうど中井先生が訪れていたので、このような議論ができるわけです。

★議論と言っても抽象的にではなく、互いのPBLのケースメソッドをベースに行っていきます。

★かくして、①PBLビジョンの共有継続のための対話、②オープンマインドな学内のチームワーク、③PBLをシステム思考的にデザイン、④自己研鑽としての自己マスタリー、➄各先生のメンタルモデルの尊重(先生方1人ひとりの授業を見学してエンパワーメントとしてのフィードバック)の5つが、自然発生的に生まれています。自然発生的にといっても、実際には蒲生教頭が丁寧に先生方のコミュニケーションネットワークをつなぎ、内発的モチベーションの火を大切にしてきたのです。

★このような5つの要素が関係してできている組織のことを、あのMITのピータ・センゲ教授は<学習する組織>と呼んでいます。各学校がPBLを全面展開するには、この<学習する組織>の形成が重要です。

★小学校でできつつある<学習する組織>と中高のアップデートを目的にしたプロジェクトが結びつき、アサンプション国際小中高全体が<学習する組織>をベースにする動きがでてきました。このダイナミズムが丹澤校長の夢でもありましょう。

★それにしても、<学習する組織>は、バージョンアップやアップデートが当たり前の組織です。小学校の副校長三宅先生は、音楽教諭でもあり、かつ三宅先生の音楽のPBL授業は奥深いのです。

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★音楽室を少し覗いてみると、なんとコパカバーナの合奏が軽やかに爽やかに行われていました。

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★このラテンリズムは、さっきまで流れていた聖歌とは全く違うアップテンポで愛と微笑みが前面にでてきます。こういう曲もアサンプション国際小学校の生徒は授業の中で演奏できるのだと感動しました。もちろん、専科の先生と外部から招いた先生との協働で行われていて、ここにも<学習する組織>の渦がうねっていました。

★しかしながら、三宅副校長と蒲生教頭は、この音楽を脳科学の成果に基づいて、他の教科の授業に結びつけようとしています。詳細はまだ企業秘密だそうです。共学化、21世紀型教育改革、校名変更をして来年は4年目になります。いよいよ高学年の21世紀型教育のカリキュラムになります。PBLのアップデートをする時がきたということです。どう変容するのでしょうか。実に楽しみです。

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