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2019年9月 2日 (月)

衝撃!次のビジョンを実現する力みなぎる教育との遭遇 21世紀型教育機構「第3回静岡国際シンポジウム」(6)限界を共有

★第3部は、田代先生(静岡聖光学院副教頭)、伊藤先生(聖学院教頭)、石川先生(21世紀型教育機構理事)、鈴木氏(GLICC代表)によるパネルディスカッションから始まった。テーマは「グローバル教育の本質を見据えて」。第1部、第2部で語られた理想、新しいウネリ、まだ見ぬ教育、リアルな学びの経験の話を振り返って、本質は何か議論していくセッションだった。

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★田代先生も伊藤先生も、タイやカンボジアというグローバル教育を実施している国が共通しているということもあり、生徒たちが目からウロコという体験を通して、問題を自分事にし、真剣に立ち臨む姿勢に変わり、自分たちが何もできないのだという根源的存在の弱さにたどりつくとき、そこから自分の殻を破って大きく成長してくる変容する姿に感動するという点で一致した。

★たしかに、この話は第2部の生徒たちの話に重ねるとわかりやすいし、海外の語学研修では、なかなか体験できない存在の本質を呼び覚ます<新しい経験>に違いない。国際バカロレアのCASにあるボランティア活動も、かなり切迫したリアリティに直面するプログラムの場合であることが多い。

★しかし、石川先生は、柔らかい口調の中にも、ちょっと毒を流すような発言をした。そのような体験はたしかに、すばらしいけれど、そうなるのは予定調和で、何か見落としていないだろうかと。SDGsへの取り組みも多くの学校で行われているが、その解決案は新しいものは本当はあまりない。そのプロジェクト的なプロセスが大事なのだというのはわかるが、それで社会は変わるのか。

★少し会場も緊張したけれど、本質への接近は、心震わさないで行うのは難しい。また、ここを回避したくなるのが、日本の教育の限界であり、それはもしかしたら21世紀型教育機構の悩みの種でもあるかもしれない。

★コーディネーターの鈴木氏は、外国の大学進学準備教育や帰国生の大学進学準備教育に詳しいので、海外では、そこを回避しないで、自分なりに考えを深め、プレゼンできる思考力をトレーニングする問いがあるという情報を提供し、そのような問いの一例を持ち出した。

★そのような体験をした生徒は、目の前の凄まじい情況に対応するだけではなく、こういった哲学的な存在者の深層を問うような問題にどう対応できるのかと。

★そこは、伊藤先生も田代先生も、なかなか難しいという話だった。

★まさに、そこにまた一つ乗り越えるべき境界線が見えた。<新しい学習経験>は、根源的な問いを日常の授業の中で思考するトレーニングも射程に入れておく必要があるはずだ。しかしながら、現在の風潮は、探究や特別教育活動やグローバル教育は非教科型活動で、教科の授業とは分離しているという限界線がそこにある。

★経産省が推奨するシリコンバレーのHTH(ハイテックハイ)は、まさに教科型活動はしないし、未来の教室の事業に参加しているN学園も実質非教科型活動の方が活発だ。そして15,000人以上の生徒が集まる注目の通信制高校である。

★さて、果たして非教科型活動と教科型活動の隙間を越境する必要はありやいなや?限界線が明らかになったスペシャルディスカッションだったし、先生方が真剣に深淵にまで迫る<新しい学習経験>のプログラムに挑んでいることが明らかになった瞬間だったといえよう。

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