聖パウロ学園の英語教育 英語が苦手の生徒も卒業時には豊かな英語力を身につけられる理由。
★昨日14日(土)、聖パウロ学園は学校説明会を開催しました。8月3日に大々的にオープンスクールを開催したことはすでにお知らせしました。基本線については、次の記事の通りなので、「聖パウロ学園のオープンスクール 多くの生徒が集まり、青春を謳歌し、未来も発見できると期待を高める。」という記事をご覧ください。
★中学入試の学校説明会とは違い、高校生は何度も足を運びません。一度参加すれば、あとは受験勉強に専心します。というのも、高校受験はエリア限定的なので、選択肢が中学入試のように300弱というのとは違います。
★ですから、今回の学校説明会はオープンスクールの時に説明会に来られなかった受験生が中心ですが、PBL体験授業が3つ講座があり、基本同じですから、全部でてみたいという受験生は、リピーターとなって説明会のたびに訪れます。今回もそのような受験生はいました。
★さて、説明会の方ですが、前回は同校の主幹の小島綾子先生が話された教務的内容のところを、今回は英語科主任で研修部長の大久保圭佑先生が話されました。そこが前回と違うところでした。小島先生は主幹ということもあって、教科全体の話をしたうえで、国語科主任としての立場から国語の話を中心に話されました。読解力と小論トレーニングによって、編集思考力が豊かになり、AO入試など志望理由書や口頭試問で力を発揮するという話でした。
★今回は英語科主任で研修部部長として大久保先生は、聖パウロ学園の英語の教育のシステムとPBL授業の効能についてスピーチしました。小島先生もそうでしたが、大久保先生もスピーチが実に巧いのです。広報部長の望月先生や副校長の紀伊先生も実に巧いのです。お二人は歴史の先生ですからストーリーテラーとしての巧みさですね。小島先生は、生徒のみなさんの話によるとファッショナブルな言葉の豊かさと心を動かす表現力があでやかだという話ですが、生徒のみなさんは、よく見ていますね。私もそう思います。
★大久保先生のスピーチは、海外の大学院で研究してきただけのことはあって、欧米仕込みの巧みさがあります。さすがですね。ユーモアで聴衆の心を和ませたところで、聴衆の(ここでは受験生)不安にいきなりダイレクトに手を突っ込むスピーチをします。英語が苦手で得意でないと思っている生徒の方はどれくらいいますかと質問し、ほぼ100%ですね。なんとかできないものかと思っている生徒はどれくらいですか?ほとんどいないですねと。一瞬会場は凍てつきます。
★いったい何を聞きたいのだと。でもだいじょうぶ。昨年も同じ質問をし、同じような感じでした。それが入学すると、なんとかしようと思うようになるし、かなり英語力が伸びますよというオチが、共感を広げます。
★そのうえで、実際に英語教育の内容を話すのです。まず、使用する教科書の話をします。いわゆる検定教科書を見せて、どうですか?と。うわあ英語ばかりだと反応します。その反応を確認したら、すかさず、聖パウロ学園のテキストを映し出します。写真が多いとすぐに反応します。
★ケンブリッジ出版のテキストで、メディアミックスを取り入れた臨場感あるテキストです。高3までにCEFR基準でB2、英検でいえば準1級レベルにまでになります。もちろん、全員がそいうはいけいませんが、2級くらいまでは伸びるのです。準1級レベルの生徒もでてきます。しかし、少しレベルが高いけれども、写真あり、動画あり、社会や理科でも扱う教科横断的なテーマが満載で、難関ですが楽しく学べます。
★グループワークやコミュニケーションをベースにした授業も功を奏します。この学習経験は、<Hard Fun>と言われています。難関に楽しんで挑戦するわけです。
★それには、やはり多様な仲間がいることがモチベーションをあげます。そういう意味では、いろいろな海外研修やブリティッシュヒルズのようなハリポタ風の完全英語村を利用することもあります。母親と女子生徒は、その話に目を輝かせていました。
★そして、何より、昨年Web上で交流していたアメリカの高校生が、今年実際に聖パウロにやってきた話をしたときには、会場は盛り上がりました。行事というより、これは生徒たちのプロジェクトです。学校と学校の交流ではなく、クラスとクラスの交流プロジェクトという他校にはない画期的なプロジェクト型の活動です。普段の授業がPBLで展開している影響がこういうところにも表れています。
★さらに、だからといって、国内大学の進学準備をおろそかにしているわけではないという進路準備教育についても説明がありました。受験生もうすうす感じていると思いますが、合格への道に英語の力はかなり有利に働くのです。
★同校からは上智に3名くらい毎年入ります。1学年80名の学校としては、これは凄いことでしょう。しかしながら、これからは理工も英語は重視されます。AO入試の時には、おもいきりその力は役立つことは、やがて明らかになっていくでしょう。学問の世界ばかりではなく、理工系人材を重視する企業には、海外からの高度人材がたくさん入ってきます。英語が社内公用語になっていきます。すでにそういうところは増えていますね。
★多様性が重要なのは、価値観とか考え方というレベルだけではなく、リアルに多様性に遭遇する日がすぐそこまでやってきているのです。これに対応できる高校は、実は意外にも少ないのです。聖パウロ学園はそういう意味でも先進的なのです。佐々木校長先生が英語の教師でもあるということから、そこがきちんと柱となってここ数年大きく展開してきました。先見の明ありというわけです。
| 固定リンク
« 2020年からの中学入試(11)生徒1人ひとりのための破格の思考型問題のモデル~聖学院 偏差値主義の悪の帝国に挑む | トップページ | 2020年からの中学入試(12)なぜ三田国際は人気の出る完璧な先進校になれたのか?鬼才田中潤先生の存在の重さ。 »
「21世紀型教育」カテゴリの記事
- 2027年に向けて動く世界と私立中高一貫校(了)2050年以降の社会は、だれもが創造的才能者になる(2024.10.01)
- 2027年に向けて動く世界と私立中高一貫校(7)2050年以降の社会を創出する創造的才能者を生み出す教育(2024.10.01)
- 2027年に向けて動く世界と私立中高一貫校(6)いわゆる高偏差値学校の教育と筑駒湘白型教科教育(2024.10.01)
- 2027年に向けて動く世界と私立中高一貫校(3)STEAM教育×グローバル教育×教科教育×World Making Wisdom(民主主義的智慧)を融合しているかどうか(2024.09.30)
- 2027年に向けて動く世界と私立中高一貫校(2)受験生・保護者のみなさんの二通りの学校選択の志向性(2024.09.30)
最近のコメント