衝撃!次のビジョンを実現する力みなぎる教育との遭遇 21世紀型教育機構「第3回静岡国際シンポジウム」(了)限界を超える児浦先生
★シンポジウムの最終スピーチは児浦良裕先生だった。児浦先生は、聖学院で3つの顔を持つ。1つめの顔は21教育企画部長、2つめは国際部長、3つめは広報部長である。それゆえ、リサーチャーであり、アナリストであり、プロデューサ―であり、カリキュラムデザイナーであり、ファシリテーターであり、マーケッターであり、・・・要するに教育界のチェンジメーカーである。
★今回のテーマは、「生徒が限界を超えて成長する教育」である。すでに第1部で、予測不能なこの時代の変化が語られているので、あえて、そこのパートは、多くを語らなかったが、極めて重要なことは、ブロックチェーンの進化とともにある仮想通貨による大量生産・大量消費・大量移動型経済社会の限界が超えられる事態が起きていることを確認したことだ。
★社会自らがいよいよ自らの限界を超える変容をしようというとき、実は技術的にそれに対応するだけでは、人は限界を超えられない。むしろ置いていかれる。このような今までにない社会変化のときに大切なことは自己の内生的な変態なのだと。そこを起点に、その内生的変態を生み出す<新しい学習経験>は何か?
★外部団体と連携し、Z世代の中高生と協働して、プログラムを矢継ぎ早に開発実施していったこの夏休みだったという。そして、その<新しい学習経験>は非日常であることがポイントなのだと。これは非真面目と真面目、あるいは遊びと学びを循環させる三田国際の田中潤教頭と同じ発想でもある。
★この非日常の世界での<新しい学習経験>をこの夏カンボジアで実践し、金沢で実施し、静岡聖光学院で実施していたために、この夏、児浦先生は東京にほとんどいなかったという。しかし、科学技術館で行われた東京私立学校展では、広報活動をするべくきちんと立っていた。児浦先生自身が常に自分の限界を超える自己変態超人なのだとしか言いようがない。
★その後ろ姿を見ている≪Z世代≫中高生が、同じく限界を超えて成長しないわけがない。
★多くの取り組みが報告され、そのたびに子供が限界をいかに超えたかすばらしい話を聴衆は聞けた。たとえば、カンボジアでは、MoGを実施した。MoG (Mission on the Ground)はvery50というNPOが実施している海外実践型・問題解決型プログラムで、経済産業省主催「第9回キャリア教育アワード(中小企業の部)」において、「優秀賞」を受賞している。
★そこでは、現地の起業家と組みながら、地域の政治・経済・マーケット・都市の現状などをリサーチしながら、生徒自身も起業家活動をするというプログラム。リサーチ、議論、企画編集、実施、振り返り、リフォームなどを繰り返していく。当然そのプロセスで多くの現地の方々とコミュニケーションをとりながら行っていくから、葛藤と愛情の眩暈の眩暈の中で、自分を見つめ、チームの中での自分の役割をみつめ、行動を起こしていく。
★生徒はまさか自分にこんな俊敏力あるいはフォロワーシップ、あるいはリーダーシップあるいは実現力があったなんてと自分で自分のコンピテンシーに驚きつつ、自分で知らない間に設定していた限界を超えて自己変態していくという<新しい学習経験>をしていく。PBLといえばPBLベースの学びである。
★この生徒が限界を超えて成長する教育環境のマインドセットが毎年充実していくことに児浦先生はワクワクし、もっともっとというベクトルを強化していくわけであるが、同時に、この<新しい学習経験>をした≪Z世代≫は、今度は講義型授業より経験に価値を見出し、生徒自身の内部で、教科学習とこの非日常的学習の間に限界を設定するようになる可能性もあるし、何より教師がその境界線を描いてしまう可能性がある。
★限界は超えたと思えば、新たな限界が見えてくるものである。そこを回避するか挑戦するかで、その人のバリューは決まるといってよいかもしれない。
★いわば、非日常と日常の限界をどう乗り越えるか、児浦先生はそこを明快に意識し、その限界を超えることで、教科学習と非教科学習の統合を果たすまたまた異次元の<新たな学習経験>を創ると高らかに宣言したのであった。
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