2020年からの中学入試(01)石川一郎先生の新刊本。中学入試の受験生をもつ保護者は必読です。もちろんZ世代中高生も。
★石川一郎先生の「2020年三部作」の3冊目が出版されました。「2020年からの新しい学力」(SB新書)が、それです。
★本書は、2020年から始まる大学入試改革に伴う、学力革命について書かれていますが、柔らかくしなやかにユーモアも交えて書かれていて、すぐに共感できるデザインになっています。もちろん、石川一郎先生のユーモアは、背景にちょっぴり毒があって、ドキドキしながら読めるようになてっています。
★もちろん、毒という言い方は、メタファーです。クリティカルシンキングを石川一郎先生は、常に発動させているので、スリリングでもあるということです。
★本書は、Z世代の中高生が読むと、ちょっと恐ろしいことになりそうです。共感共鳴し、いまここでの抑圧的一方通行的授業や問答講義などは<対話>がない!ワークショップ型で<対話>や<議論>、<創造>を授業でも実施して欲しいとなるかもしれないからです(笑)。
★当然、急いでZ世代中高生に先回りして、保護者も教師も読んだならば、Z世代のニーズがわかり、ともに内発的モチベーションを燃やしながら、予期せぬ難関が訪れたときに、乗り越えることができるでしょう。
★特に中学入試の受験生の保護者は必読です。というのも、本書は首都圏模試センターの「思考コード」に始まり、「思考コード」に終わるからです。
★首都圏模試センターの統一合判の成績は、思考コード分析された結果も出され、それを活用してリフレクションすることで、受験もポジティブシンキングで乗り切れるでしょう。今ままでの成績票だけだと、偏差値をあとどのくらい上げなければダメだ。そのためには、正答率30%の問題をこんなに間違っていてはダメだ。この間違った問題の類題をたくさんやらなければ・・・となっていましたね。
★「ダメだ」「やらなければ」というネガティブシンキングの扉を開くことばを塾でも家庭でもみんなで吐いていたと思います。
★でも、「思考コード」で分析すると、偏差値は低かったけれど、自分はこんなところまで考える力があるんだ。この得意な思考力を生かせばなんとかなるな。この得意な力を評価してもらえ、もっと伸ばせる環境のある学校を選ぼう。などとポジティブシンキングが生まれます。
★要するに今までは、でてきたデータを「診断的分析」をしていて、過去の自分を描いていたわけです。それが意外と等身大ではなく、委縮した自分だったりしているところが問題ですね。これからは、それに「予想的分析」とか「処方的分析」をして未来の自分を想像し、デザインし、そこに向かってい歩む自分軸を胸に歩んでいけばよいのです。
★もちろん、万能感や誇大妄想はチェックする必要がありですが、石川一郎先生が本書で大切にしている「C軸思考力=創造的思考力」は、ベースにクリティカルシンキングがあるので、そこは大丈夫です。
★エっ!いわれてみればそうだけれど、なぜ今までそういう成績の分析がなかったの?とお思いでしょう。それは、石川一郎先生がちゃんと解明しています。そもそも今までの入試問題には、C軸問題が出題されてこなかったのです。過去の記憶をひもといて、それを結びつけるA軸思考とB軸思考に限定されていたのです。そこは、既存の中でのお話なので、予想する必要がなかったわけです。
★石川一郎先生の今回の本は、「想像力」「デザイン力」「自分軸」というC軸思考=創造的思考の3要素を中心に展開されています。これまでの2020年の大学入試改革の話やそれに伴う学習指導要領の改訂の話は、学力の3要素の話で止まっていました。
★しかし、石川一郎先生は、その3要素の1つ「思考力・判断力・表現力」を思考コードでさらに3つの思考力で問い直し、そしてまたさらにその3つの思考力の深層に潜む「想像力」「デザイン力」「自分軸」という3要素に踏み込んでいます。エッ!深堀りしているというのでは難しいのでは?ところが、そうではないのです。
★論より証拠と言います。まずは読んでみましょう。2020年から始まる「新しい学力」をゲットできます。それは希望の力となるでしょう。
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