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2019年9月 9日 (月)

2020年からの中学入試(06)ますます増える新入試の意義 時代の精神から見る必要がある

★首都圏模試センターは、受験業界の中で、いち早く「適性検査型入試」「思考力入試」「自己アピール入試」「STEM入試」「算数一科入試」「得意教科選択入試」「英語入試」などの動きを<新入試>の大きなウネリととらえました。そして、毎年<新入試>体験を各学校と協力して行っています。今年も実施します。最初は1箇所で行っていましたが、昨年は2箇所で行い、今年はついに3箇所で行うほどになりました。

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★しかし、この<新入試>については、評価はいろいろあります。首都圏模試センターは、2020年の大学入試改革や本格的に実施される2024年、さらにはソサイエティ5.0などが行き渡る2040年からバックキャストの発想で考え、論理的思考力や創造的思考力を高偏差値の学校のみならず、多くの学校を選択する受験生が取り組む<新しい学びの経験>という意味があると認識しています。

★一方、首都圏模試センター以外のシンクタンクは、フォーキャストの発想から、偏差値で測れない<新入試>を謎の入試として、一時の流行だととらえています。むしろ、それよりも、<算数1科入試>や<得意科目入試>が増え、受験生の負担軽減や得意教科で受験できる機会をつくるマーケティング的な視点で捉えなおしています。

★これは教科以外の<新入試>は、以前のように負担軽減としてとらえず、何か謎の能力を見る問題だとしてているわけで、ある意味、その存在を認めてしまってもいます。ただ、その有効性を否定しているのです。

★さらに、未来の大学入試改革からみて、<新入試>の在り方が現れるのは時代だとみなしながらも、<4教科>入試の学びもまだまだ重要であるし、むしろ普遍的な学びだとして、そのバランスをとりながら中学入試を切っているシンクタンクもあります。

★どれが正しいかは、わかりません。それを証明する根拠は実はないのです。あくまで、どのシナリオプランニングが、マーケットで受け入れられるかにかかっています。

★しかしながら、一つはっきりしていることは、<新入試>は、たとえば麻布の骨太の論述問題で活用する思考力を、偏差値にかかわりなく出題しようというところに出発点があるということで、<新入試>と麻布のような<教科入試>は重なる部分が多いのです。たしかに教科の特性は<新入試>ではあまり取り扱っていませんが、麻布のような<教科入試>で活用する論理的思考力と創造的思考力については共通しているのです。

★多くの私立中高一貫校の<教科入試>は、麻布のような論理的思考力や創造的思考力を活用しなくても合格できてしまうので、<教科の特色である知識問題をベースとする2科4科入試>と<論理的思考と創造的思考が前面にでる新入試>は全く別のものに見えてしまっているのです。

★これについては、具体的な問題で今後考察してみたいと思いますが、過去の偏差値だけでデータ診断をするフォーキャスト発想では、創造的思考力は評価ができないからとネガティブにとらえられます。これだと創造的思考力を重視するAI社会シフトの2024年から2040年に新たに生まれる仕事や研究に対応できないでしょう。

★思考コードのようなエンパワーメント評価によって、生徒の才能を見出しそこを伸ばす評価こそが、つまりこのようなバックキャスト的発想が、創造的思考力を重視するのです。

★保護者の皆さんは、どちらを重視しますか?従来のように偏差値階層に従い、偏差値が低ければ麻布生のような論理的思考や創造的思考は養う必要はないとみなしますか。自分のお子さんをそんな状況に閉じ込めることになるのですが、いかがでしょうか。

★それとも、創造的思考力を偏差値にかかわりなく、我が家の子どもにも身につけさせたいと思いますか?知識理解だけでの問題が得意な高偏差値の生徒が東大はいけても、海外大学はいけないということもあるし、知識理解の問題は<わかる>けれど、トレーニングが足りなくて<できる>にまで今のところいたらないけれど、創造的思考力を発揮するのは大好きだという生徒の多くが東大は合格できないけれど、海外の大学に進学したという例はもはや少なくありません。

★シナリオプランニングをバックキャスト発想で描くのか、フォーキャスト発想で描くのか、バランス感覚で描くのか、それは≪私事の自己決定≫です。学校説明会に足を運び、学校選択フィールドワークをしながら、多面的に考え色々感じながら意思決定して欲しいと思います。

 

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