神崎史彦先生と鈴木裕之先生との≪対話≫
★昨夕、GLICCで、超多忙な神崎史彦先生と鈴木裕之先生と≪対話≫ができた。21世紀型教育機構の各校の学びの質の進化を持続可能にするサポートをいっしょにしているので、≪対話≫のテーマはおのずと≪学びの魂≫の部分に集中した。
★21世紀型教育機構のビジョンは、時代の精神を汲み取ったり、時代の要請に耳を傾けたりしながら、アップデートしていくから、忙中閑ありのタイミングを見つけては≪対話≫をしていく。
★僕たちは、みなそれぞれにPBLの現場を持っている。議論、対話、論文、プレゼン、学習する組織、クリティカル&クリエイティブシンキング、スピードデーティング、learning by makingなどのそれぞれのアクティビティデザインの経験から汲み取った独自のメソッドで展開している。
★僕たちが大事にしていることは、経験値を尊重しながら、そこからメソッドとして形式知化しては、アクティビティの中でその形式知を暗黙知に転換して経験値をさらにあげていくことだ。それと、自分たちのアクションが、形式知化されメソッドというメタ化されるわけだから、それが世界標準の水準に耐えられるかを確認し合う。そうしなければ、21世紀型教育機構の教育の質の進化のサポートはできない。
★それと、そもそも世界標準とは何かについて≪対話≫する。そうすると、経産省の未来の教室や文科省の大学入試改革の実態や学習指導要領改訂の目標が、世界標準に達していないことがわかるわけで、現状の日本の教育の枠組みの中で、葛藤を調整するだけでは、子供たちの未来をいまここで共有できない危機感を感じることもできる。
★僕たちは、日本の教育の内側にリアルに位置しつつも、外側にもメタ的にだけではなくリアルに反転できる可能性も考案しなくてはならないと。
★僕たちの≪対話≫は、神崎先生は白い帽子をかぶり、中立的に語り、鈴木先生は赤い帽子をかぶり、熱く語る。僕は年の功でダースベーダー役。つまりブラックハットをかぶる。しかしながら、最終的には、そしてみんなでイエローハットをかぶり、希望の光を見出す。あっ、それからみな経営的視点ははずせないから、みんなでグリーンハットをかぶり、クリエイティブなアイデアをいかに実現するかにシフトする。
★でも、多くの場合、時間がない。昨日のように5時間半も、ただただ≪対話≫をするのは珍しい。だから、イエローハットとグリーンハッとをかぶれないまま終わる時が多い。そのときは、モヤモヤ、ドキドキ、ムラムラが残る場合もあって、精神衛生上よくないという。ブラックハットは、責任がある。ごめんなさい。ちゃんと、イエロー&グリーンハットをかぶるところまで気遣うことも大切だと昨日は身に染みた。
★それにしても、このような≪対話≫ができるのは、神崎先生は、3部作を執筆しているし、鈴木先生は思考実験という著書をアレックス先生とジェームズ先生が執筆出版するときに編プロを行った。そして、お二人は、それぞれのセオリーを、自身の授業で展開している。
★神崎先生は、レゴを使いながら、レズニック→パパート→ピアジェと思想的にたどっているし、鈴木先生は、最近はデューイを、もちろん原書で、読み深めている。
★だから、お二人のセオリーの共通点と差異をファシリすることはおもしろい。その共通点と差異こそ学びの魂の可視化。ここから、新しいプログラムを創ることもできる。
★このプログラムは、日本の教育のリアルな内部にいながら、外部というポジショニングにワープすることもできる可能性が大である。外部とは世界なのであるが、リアルな世界のことだけを言っているわけでは、もちろんない。
★リアルな世界の背景にある世界性を含んでいる。ちょっとハイデガーやガダマーの存在論的解釈っぽくて、わかりにくいけど。
★そこは、また≪対話≫で現代化していけばよい。≪対話≫は続くというわけである。
| 固定リンク
「21世紀型教育」カテゴリの記事
- PISA2022結果に対するメディアの反応 メタ認知でモニタリングを(2023.12.06)
- 今後の中高における生成AI活用の重要性(2023.12.05)
- 2024年中学入試(07)今年も工学院は人気 共感的コミュニケーションの可視化 生成AIだからこそ(2023.12.05)
- 2024年中学入試(06)湘南白百合の海外大学進学準備教育(2023.12.04)
- 2024年中学入試(05)小泉信三賞が認める富士見丘の高校生活(2023.12.03)
最近のコメント