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2019年8月29日 (木)

PBLの世界(20)PBLの基本的考え方③

★今やテレビの情報番組でも多くの識者が、孫正義さんまでも講演などで、もはや誰でも少子高齢化で生産年齢人口が減少して経済や景気は激しく減速するということをタンタンと語るようになってきた。世界中が分断の嵐で、日本と隣国との関係も似たようなことが起きて、どうも国家のやっている今のままでの政治や経済政策では、ままならない。

★一方で、シリコンバレーモデルが各国で国の人口を超える会員がぶらさがり、政治も経済も誰がコントロールするわけでもなく、多様な化学反応が生まれている。ケイオスの様相を示している。しかし、それは、古いメガネで見ていたら混沌としているが、新しいメガネでみると、ブレイクスルーが生まれる前兆とか、クリエイティビティのエネルギが充満してきたとかとらえてることができる。

★当然、孫正義さんをはじめとするイノベーターや起業家を推進する人のメガネは新しい。とすると、結論は簡単だ。みな新しいメガネをかけて、みんな天才になればよい。自分のスーパー才能を見出す、つまりギフデットとしての自分を見出す新しいメガネをかけることだ。

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★さて、この新しいメガネはどうやって作るのだろう。それは孫正義さんのようなサバイバル人生術を見ればすぐに了解できる。孫正義さんの人生そのものがプロジェクト型の生き方だ。自分でマーケティング直観を見出し、キーパーソンを見つけ、その人をおっかけ、直接交渉できる機会を見つけ、相手がアッというような技術を磨くために、バークレーに留学し、英語はあたり前でという学習経験をしたからできたのだ。そして、投資という技術も身に着ける。ネットワークは極めて重視するが、なんでもかんでもではなく選択する。もちろん、もっと複雑で、こんな簡単な説明では孫さんに叱られるだろうが。。。

★ともかく、この学習経験を学校でできるようにならないのか?というのが、トニー・ワグナーや経産省の「未来の教室」の発想だし、21世紀型教育機構もそれは同じだ。その新しい学習経験こそ≪PBL≫に他ならない。

★昨年のノーベル経済学賞受賞者の1人ポール・ローマ教授の「内生的成長論」は、まさにこの新しい学習経験を皆することなのだということだ。人口成長を前提に読み書き算盤(3R)の古い学習経験を、人口が減った分、1人ひとりが探究・議論・表現という3X型のPBLという学習経験をすることで、何倍も価値を高めることができるという理論。ざっくりいうと、今の日本の物価で、1人年収2000万くらい稼げるようになればよいのだと。一握りのミドルアッパー層の話ではない。全員がだ。

★9月1日(日)、静岡聖光学院で行うシンポジウムは、その内生的成長を生み出す新しい学習経験の公開とその作り方、そしてその新しい学習経験を実際にいまここで体験している各国の生徒たち=Z世代も参加する。今やみんなが新しい学習経験をすることが必要であり、そうすることでみんなが創造的才能者になれる。みんな天才、ギフデットになれば、はじめて実質的平等も生まれる。機会だけ与えられる形式的平等が実質的平等にシフトすれば、社会は良好な循環=平和が訪れる。いっしょに新しい人材の新しい学習経験による新しい社会のための未来に思いを馳せたい。

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