« 神崎史彦先生との≪対話≫ | トップページ | 静岡国際シンポジウムで、「中高生は、みんな未来を発明する才能者」という学びの環境を知る意義 »

2019年8月21日 (水)

聖学院 中高生にとって大事な学びを創る ≪Z世代≫の学びへの挑戦!

★今教育学部の教授たちのリサーチで、学習から降りてしまった中高生が増えていることに警鐘が鳴らされている。果たして今の中高生は学習から離脱してしまっているのだろうか。その是非は専門家に任せるとしても、リサーチの道具立てが、基礎学力だとか中堅校だとか、つまり偏差値だとかで、かなり昔から使われている道具立てでリサーチされていることは否めない。

★英語教育もまだまだ重要でなかった1980年代前から行われていた道具立てだ。ICTなどは、まったく学校には登場してこなかった道具立てだ。よいわるいはともかく、いささかそれでは、2002年以降に生まれた今の中高生には窮屈過ぎないだろうか。グローバルネイティブでデジタルネイティブな≪Z世代≫とよばれている今の中高生にとって、さすがに新しい環境が必要なのは、そんなリサーチをするまでもないだろう。

Dsc03645

★≪Z世代≫にとって、はっきりいって、過去の道具立てでの診断的リサーチはあまり役に立たない。今でも診断的リサーチは必要だが、激動の時代である。世界的なコンサルティングファームは、さらに予測的リサーチ、何をすべきかというprescriptive researchをも重視している。

★この時代のベクトルを鋭く見抜き、俊敏にアクションを起こしたのが聖学院の児浦良裕先生だ。中3の在校生Yujinさんとの出会いも功を奏した。児浦先生は、あるときは広報部長、あるときは国際部長、あるときは21教育企画部長というマルチコーディネーターである。

★中3のYujinさんがグローバルに中高生クリエーターとアクションを起こす団体「SustainableGame」を主宰して、どんどんZ世代のコミュニケーションの場、アクションの場を広げていくのを受け入れ、その肝を学内にも大いに浸透しようと決断した。

★まず、ふだんの授業を学びの離脱がおこるどころか、学びの場を生徒が自ら生み出せる場にしようと、教師一丸となってPBLを実践する授業デザイン研究会を実施した。

Dsc00388_20190821100901

★そして、国際部長としては、Very50という革新的な団体と連携して、MoGを実施。MOGとは、「Mission on the Ground (地上の使命)」の頭文字をとっている。アジア新興国のチェンジメーカー(社会起業家)のもとで、「SDGs(持続可能な開発目標)」のテーマをチームを組んで解決に挑むことで、「問題解決能力」の養成に重点を置いている。≪Z世代≫のリーダーYoujinさんも、SDGsの活動をしているが、このプログラムに参加。世界のZ世代とチェンジメーカーになる輪を広めている。

★また、児浦先生は広報部長として、メディアに注目を浴びている3つの思考力入試の体験講座を各塾に招かれて実施している。3つの思考力入試のうちレゴを活用するプログラムを実施。言語化だけが思考力だと思われていた従来の学びに、物語化、図式化、物作り化など多角的なアクティビティをコンビネーションして行うPBL型体験講座を実施。≪Z世代≫の学びのお手本を広めるインフルエンサーである。

★これだけでも、凄いのだが、同じく21世紀型教育機構の同士校である静岡聖光学院と合同キャンプまでやってのけ、グローバル教育をついに学校同士で連携してしまった。これは21教育企画部長として面目躍如といったところだろう。もちろん、これが成就したのは、静岡聖光学院も≪Z世代≫の学びに日々挑戦しているからだ。

今回、これらの教育企画運営を通して手ごたえを感じた「生徒が限界を超えて成長する教育」とは何かについてスピーチする。9月1日、静岡聖光学院で行われる「第3回静岡国際シンポジウム」で児浦先生は熱く語る。Z世代の中高生が古い学びの殻を破り、新しい学びを開く。もはや教師だけが学びを設定する時代ではない。生徒ともに学びは生み出されのである。児浦先生の新しい視座をシェアしようではないか。

|

« 神崎史彦先生との≪対話≫ | トップページ | 静岡国際シンポジウムで、「中高生は、みんな未来を発明する才能者」という学びの環境を知る意義 »

21世紀型教育」カテゴリの記事