2019東京都私立学校展(1)本日と明日開催
★本日17日(土)と18日(日)、2019東京都私立学校展が、科学技術館1階で開催。主催は、一般財団法人東京私立中学高等学校協会。私が訪れた本日は、10時から開催予定だったが、すでに気温は30度を超えていたので、長蛇の列をそのままにしておくのは危険ということもあったのだろう。予定の30分前に開場となった。
★9時前から、各学校の先生方は準備をしていた。そして、9時には、東京私立中学高等学校協会会長の近藤彰郎先生(八雲学園理事長・校長)は、開会宣言をして、時代の変化や政府の思惑に翻弄されることなく、子どもの世界を守る私立学校の心意気を受験生・保護者と心行くまで分かち合おうと気概を共有した。
★昨年までは、国際フォーラムで行っていたが、今年は、この時期、フォーラムは来年のオリンピックのための工事とあって、スペースはその4分の1くらいの科学技術館のイベントホールを使ったようだ。来年は時期をずらして、再び国際フォーラムで行うようだ。
★そんなわけで、今回は、各校のブースも狭く、みな立席での相談会となったが、それはそれで新鮮な感じがした。その理由は、しばらく見学しているうちにわかった。
★それにしても、この東京をあげて私立学校の合同相談会は、理事長及び校長が、前面に出て受験生や保護者をお迎えする。ウェルカムの精神をトップリーダーが体現するわけである。日本の社会構造上、この構えは、あまりない。偉い人は後ろに控えてでてこないものだからである。
★明治以来、官学とは違って、近代化路線の自由を大切にしてきた私立学校の精神がこういうところに生き生きしているのである。
★そして、私立学校のトップリーダーは、ちょとした合間でも、政治と経済と教育の関係について、政府の政策と適切な距離を置きながら協力しつつ、どのようにしたら言いなりにならないようにできるのか、そのためには、新たに私立学校はどんなアクションをするのかなど議論をしている。日本私立中高連合会の会長吉田晋先生(富士見丘理事長・校長)と同会の教育研究所理事で東京私立中高協会の副会長の平方邦行先生は、私がお会いした時、ちょうど経産省と文科省の21世紀型教育に対する考え方の違いと共通点についてどう読み解くか議論していた。
★知事選の行方や政府の文科行政は、私立学校の教育にも大きく影響するがゆえに、ある意味ロビー活動のようなアクションは必要で、私立学校1校では、立ち臨めない。各都道県の私立中高協会と日本私立中高連合会の存在意義は、ここにある。
★教育の精神の自由を守るには、コラボレーションは重要である。まさか文科省が私立学校に圧力をかけることはないだろうと思う方もいるだろうが、20年数前は、3年間くらい、私立学校の中学入試問題が学習指導要領を逸脱しているのではないかと私学バッシングをしかけてきたときもあったし、世界史の未履修問題で圧力をかけてきたことは記憶に新しい。
★そして、それらが、戦後教育基本法改正の伏線で、改正案で、私立学校をどう扱うか、水面下で、私立中高協会と政府は凄まじい議論を展開していたこともあった。
★そして、2013年から中教審メンバーになった吉田晋先生が、時の下村文科大臣に圧力をかけられたことも記憶に新しい。吉田晋先生は、教育関連法規を、特区という形で、特例を出して、どんどんなし崩しにしていく下村大臣ときちんと議論をしようとしたところ、大臣が、私に反論するのかと言う始末だった。
★しかし、私立中高協会は、一丸となって、数々の抑圧をはねのけ、適切な距離をあけながら、政府や官僚の要請に、協力ができるところは大盤振る舞いもしてきた。
★新しいグローバル教育やPBLの実態、ICTの授業での活用など、視察も受け入れてきたし、研究校としても協力をした。教育改革のプロトタイプを提供することをしてきたのである。
★国際フォーラムが使えないのなら、今年私立学校展をやらないという選択肢もあったはずだが、近藤会長は、私立学校の存在、つまりプレゼンスのアテンションをあげ続けることは、教育の真理を守る私立学校の使命であるという気持ちでいるのであろう。
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