C世代への対話(1)佐野先生との対話
★先日「PBLの世界(11)2021年以降サバイブするかえつ有明」という記事をホンマノオト21に掲載してfacebookのタイムラインに投稿したら、かえつ有明の副教頭の佐野和之先生がシェアして、次のようなコメントを投稿してくださった。
≪小さく始めたグリーンな世界が少しずつ広がり始めている。少しずつ、でも確実に。それぞれの緑が他の草原や木々と結びつき始め、新たな循環態系を形成していく。その世界を維持するにはそれぞれがその世界との繋がりを回復して、部分と全体を一致させていく不慣れな作業に意識を向ける必要。弱肉強食の世界で培われたメンタルモデルに自覚的になり、慣れ親しんだその世界観を手放す覚悟を持たないとグリーンな世界に生きられないどころか、その世界の存在にすら気付けないかも。ここからが自分自身のあり方を試されるところ。≫
★今かえつ有明で広がっている世界を、佐野先生は「グリーンな世界」と表現されている。それは広がり「新たな循環態系」を形成していく。それぞれの世界との繋がりの回復と部分と全体の一致が拡張していくというのだ。
★繋がりの回復や部分と全体の一致の作業を「不慣れな作業に意識を向ける」と表現されている。いかに自分たちは、分断と要素分解に慣れ親しみ、全体や背景を見てこなかったのだろう。そのようなルーチンの空間を「弱肉強食の世界」と佐野先生は明言する。
★そんなメンタルモデルを互いに打ち明け、シェアし、そんな根源的なアイデンティティと思ってきた幻想を払拭して、グリーンな世界で生きる本来的なアイデンティティに立ち還るところから佐野先生は、かえつ有明の先生方と≪対話≫してきたのだ。
★それは、たしかに小さく始めたグリーンな世界だった。それが広がった。その推進力は、実はZ世代の生徒だった。デジタルネイティブで、グローバルネットワークを大切にしながら、実は個人の才能や性格や想いをとても大事にする世代にとって、鋼色の抑圧と効率性の世界は息苦しい。
★そんなときに、自分の学校にグリーンな世界があるのだと気づくや、実にその行動は早かった。自分たちで生徒募集を行うワークショップを企画し、異業者交流を企画し、起業のシミュレーションもやった。大学も国内にとどまらず、海外にも目を向けた。
★今もその広がりは他校とのネットワークを広げる動きになっている。どこまでも広がり、ケアフルな仲間とそれらを全部内面化する個人という新しい人間観と新しい世界観が、かえつ有明のグリーンな世界から生まれている。
★進取の気性に富んだ保護者は、自分の子どもがZ世代であることを自覚している。鋼色の分断の世界よりグリーンな繋がりが循環している世界こそ、Z世代には必要だと了解している。それゆえ、佐野先生のいるかえつ有明を選択する。
★しかし、佐野先生は、グリーンな世界の次の世界をおぼろげなら構想している。ダライラマ的世界観。それは宇宙への繋がりの世界だ。自然と社会と精神のグリーンな地球的(グローバルな)世界の復権の次は、循環態の地球の存在を支える宇宙という全体に視野が広がる。世界から考えるから宇宙から考えるへ。そんな世界観が、Z世代の次の世代のC世代には大事なのだろう。
★佐野先生の投稿を拝読して、そんな感想を抱いた。
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