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2019年7月 2日 (火)

【2020年首都圏中学入試動向02】豊島岡女子と本郷の良い影響。

★日本経済新聞の記事「中高一貫校、高校の募集停止相次ぐ 豊島岡や本郷など」(2019/6/30 5:00)によると、「東京都内の有力中高一貫校が相次ぎ高校募集を停止する。本郷高校(豊島区)は2020年度入学、豊島岡女子学園(同)は21年度入学を最後に高校入試を取りやめる。都立中高一貫校5校も順次、高校の生徒募集を停止する。高校選びの選択肢が狭まり、中学受験を検討する家庭がさらに増えそうだ」ということだ。

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★両校の高校廃止の理由は、日比谷高校をはじめとする進学指導重点校の勢いがよく、成績優秀者を高校から獲得することができなくなったからとか、都立中高一貫校もすべてが完全中高一貫校になろうとしているため、中学からの成績優秀者の獲得競争にも備える必要がでてきたからとかいうのが、受験業界の常識だろうし、果たしてそうだろう。

★しかしながら、豊島岡女子のここ数年の動きは、桜蔭路線ではなかった。海城や聖光が、麻布のように完全中高一貫体制で、教科のみならず幅広い教養や感性を身につけられるプログラムの開発実施、グローバル教育への視野の拡大を実現していった道を歩み始めているような気がする。

★立教大学河野哲也教授の哲学カフェを行ったり、GAFAレベルの企業と連携してイベントを実施したり、洋書のビブリオバトルを開催したりしている。SSH認定校になったということもある。

★東大・医学部にまずはたくさん合格させ、同時にリベラルアーツの現代化=STEAM×哲学も実施。2つの合力を強烈につくっていく。まさに海城、聖光学院の戦略であり、麻布がモデルになっている可能性が高い。

★本郷と豊島岡女子が高校を廃止することが、中学受験者数を激増させるかと言えば、微増はあるが激増はないだろう。ただし、私立中高一貫校の教育の在り方において、合格実績促進教育と教養拡充教育の合力をつくるダイナミックな質の変化が起こることは確かだろう。

 

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