聖パウロ学園 大久保先生との対話 知識と思考のシステム
★パウロの森の中で、ウグイスの鳴き声を聴きながら、大久保先生と対話した。先生は聖パウロ学園の英語科主任であり同時に研修部部長であるから、教科横断型の視点も有している。同学園は、同じ地域の他の高校と比べると大学への進学率が高いし、少人数のために、対話型のPBL授業が展開して自己肯定感を持てるようになるため、人気がある。
★しかし、聖パウロ学園の先生方はそれで満足することなく、生徒の隠れた才能をいっしょに開花できるような学びのシステムを追究している。大久保先生も英語のアプローチと教科横断型のアプローチをいかに統合するか、授業実践を通して日々研究している。
★少人数教育というのは、生徒との対話に満ちているために、実に多忙である。そんな中、時間を見つけて、聖パウロ学園の先生方と対話をしているのだが、今回は大久保先生と対話ができた。
★大久保先生は海外の大学院でTESOLの資格を有する研究もしてきたから、暗黙知として世界標準の学びを授業の中で実践している。したがって、今回はその暗黙知を形式知化して可視化することを目的に対話した。
★最初は、未知なる物体Xを「知る」行為をポストイットで整理(オーガナイズ)していった。そして、そのオーガナイズはどのような発展性があるか対話していった。ポストイットは、最初はバラバラだったが、対話の過程でフローチャートになっていった。
★そこで、今度は英単語を生徒と学ぶ行為を、そのフローチャートに沿って対話した。実は、この物体Xを知る行為のフローチャートは、英語科教諭として、生徒と英語を学ぶときの大久保先生の流儀だったし、それは海外で身に着けてきた世界標準の流儀でもあった。その暗黙知を可視化で来た。対話というのは実におもしろい。
★そして、東大の地理の国別のあるグラフの問題を、そのフローチャートに沿って解いていけるのかどうか検証した。できた。
★これによって、英語でのたとえば、英単語のような知識を格納し、それが想像力や洞察力、創造力に結びつくように、組織化(オーガナイズ)する知識と思考のシステムは、教科を横断して知識を格納して活用したり洞察したり創造したりする行為に置き換えることができる。
★この置き換えは、単純なreplaceというより、metarhesis(メタセシス)という思考スキルを発動することになる。もちろん、そのまま置き換えることができない場合もある。その都度、変容させていけばよい。
★大久保先生は、今後、この知識と思考のシステムを授業の中で試行錯誤しながらサンプルを数多く蓄積していくということだ。いずれどこかで発表することになろう。楽しみにしている。
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