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2019年7月28日 (日)

週刊東洋経済の特集「中高一貫校」(3)算数一科入試の意味

★週刊東洋経済7月27日号では、算数一科入試相次ぐという話題も取り上げている。2021年の早稲田の政経が大学入学共通テストで、数I ・Aが必須であるということもあり、算数の学力のある生徒に門戸を開こうちう入試のようだ。

★これからは理系が重視されるから、算数の学力の高い生徒が欲しいという理由もあるという。

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(大妻中野の算数一科入試は、実社会に数学がどのように活用されるのか、数学的思考力をみる良質の問題)

★しかし、いずれも、あまり納得のいく理由づけではない。生徒募集のためというのが本当のところではないか。

★思考力入試や英語入試のように2科4科以外の才能をという話とは基調はかなり違う。

★というのも、日本の学習指導要領は、数学的思考力などという話題はほとんどなく、大学入試問題ができるための微積を頂点とした体系ができあがっていて、これ以外に、数学的思考などを養おうという数学の講師はそれほど多くない。

★もちろん、本格的に数学的思考力を養うプログラムを作ろうという数学教師もいるだろうが、基本は大学入試問題が解ければよいわけだ。

★もし、算数一科入試の目的が、数学的思考力という理系文系に共通する大切な思考力を有している生徒が欲しいということにあるのなら、素晴らしいと思う。大学入試も乗り越え、理系という枠組みも突破する数学的思考力ベースの算数一科入試という学校であれば、そこは選択する価値が高いはいずだ。

★算数一科入試は、目的によって素晴らしい価値も有するし、あるいは逆に時代錯誤の権威を振り回し生徒の未来を台無しにするリスクもある。

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