« グローバル教育とSTEAM教育の基礎となる授業を3つのPBLデザインツールで組み立てる。 | トップページ | 北一成氏の視点(1)ミッションスクール再び注目浴びるか? »

2019年7月25日 (木)

≪情報を獲得する≫ために根性で読め!ではなく、≪思考スキル≫でしなやかに読み取る。

首都圏模試センターのサイトに「偏差値5アップのこの1問」というページがる。毎回「統一合判」が終わったあと、同センター教務陣が各教科の問題から1問ずつ選択し、この1問が解けたらはもちろんであるが、この1問を通して≪思考スキルベースのものの見方・考え方≫ができるようになると偏差値5アップするよということを解説している。

Rika

★今回で2回目の掲載であるが、両方とも読んでおもしろいのは、平均正答率30%くらいの問題が選択されていることが多い。そして、平均であるから、偏差値50の受験生の集団がだいたい正答率30%くらいになる。ところが、偏差値70の集団をみると、この手の問題はだいたい80%くらいできてしまう。

★なるほど、この手の問題を解けるようになると、偏差値5どころかもっとアップする。そこで、平均正答率30%の各教科の問題を横断的に見ていくと、ある共通点がある。平均正答率30%の問題は手がつかないということはない。だから無答率は少ない。

★手を付けているけれど正解に行き着かないその理由は何か?国語だと課題文の読み取りが不十分だというのが明快に了解できる問いが選択されている。算数だと問題文の読み取り、社会だと資料の読み取り、理科だとデータの読み取りがそれぞれ不十分なのだ。

★したがって、課題文にしろ、問題文にしろ、資料にしろ、データにしろ、「情報の獲得の仕方」を身に着けているかどうかは極めて重要だ。

★なんだあたり前の事ではないか?と言われるかもしれない。だから受験生に問題文を焦らずきちんと読めばそれでいいんだよとか、問題文をきちんと読んでいないからだとか、諭したり怒ったりしている家庭での様子がすぐに思い浮かぶ。

★しかしながら、受験生にとって、情報の獲得の仕方は、実は明快にトレーニングされているわけではないのだ。試行錯誤して経験値をあげる訓練をしているに過ぎない。それでは、出来る子と出来ない子の差が開くばかりなのだ。

★それゆえ、≪情報の獲得の仕方≫を≪思考スキル≫ベースで学ぶ習慣をつけることは大切だ。国語の場合、要約にしろ、心情の記述にしろ、具体化(理由の時もあるし、対照的な内容の時もある)と抽象化のセットで書くわけだ。具体的な部分と抽象的な部分は、たいがいは課題文で書かれている。

★心情の記述の抽象的な言葉は、物語の中では直接表現されていないから≪置き換える≫スキルを発動する場合いもあるが。

★ともあれ、具体と抽象の関係を知るパスワードは何か?それは「このような」「つまり」「すなわち」「要するに」などの言葉に気づくことである。「思考スキル」とは結局≪関係語≫が示していることを知ることなのである。つまり、≪関数関係≫。がしかし、中学入試ではここまですぐには飛べないので、思考スキルとして幾つか分類整理しているのだ。

★算数の問題文は、条件の整理であるから、図やグラフや表に≪置き換えて≫情報を獲得ないし再現していくことが必要だ。

★社会の資料は、それがなぜ必要なのか重要なのか、隠れた情報を明らかにしていく必要がある。つまり資料が表現している社会現象の諸関係を思いめぐらことがポイントだ。

★理科のデータの読み取りは、そのデータが、加減法の世界を表現しているのか、比の世界を表現しているのか比較して分類分けする必要がある。

★なお、今回の理科の1問は、データをどのような式で計算するのか類推する問題で、その平均正答率は、7%。偏差値70の集団も50%しかできていない。この問題の発想法を学ぶことは、この問題に限らず、あらゆる問いを考える際に、偏差値にかかわりなく、極めて重要である。

 

|

« グローバル教育とSTEAM教育の基礎となる授業を3つのPBLデザインツールで組み立てる。 | トップページ | 北一成氏の視点(1)ミッションスクール再び注目浴びるか? »

中学入試」カテゴリの記事