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2019年7月18日 (木)

学校の授業の空洞化というリスクを回避できるか?

★日本の高校の実態を直視してみると、ちょっと恐ろしい。というのは、学校は、法律で守られているからカタチはあるけれど、もはや教育は自前ではできない状況にある可能性がある。

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★今日の大学入試は複雑で、膨大な入試情報を整理し、抽出し、生徒1人ひとりの学びの状況とマッチングさせることは、もはや学校独自でやることは不可能な状況である。

★学校の先生方も、大手予備校の研修にでて、大学入試問題の解き方を学ぶ。そして、学校に帰ってきて、その解き方を授業で実演していくという20世紀型授業が、今までの20世紀型教育。海外大学も、予備校に頼れば、20世紀型教育で十分に成果は出る。

★だから、国内外の大学合格実績を出すのに、実際には学校独自の授業などないと言ったら叱られるかもしれないが、そういう事態になってしまっているのは否めないだろう。

★外部との連携は大事であるが、外部に丸投げか、外部のプログラムの下請けを結局はやっているのが、20世紀型教育である。

★これだと、偏差値偏重型だし、知識偏重型になるから、生徒1人ひとりが自分の未来を創り上げる力などつかないのは、今の日本の国力の減速を見れば明らかである。

★そこで、21世紀型教育によって、新しい学力や成長の基準を生みだし、それに基づいて論理的思考や創造的思考を生成し、生徒1人ひとりが自分の未来を創ることができる力をトレーニングしようという動きが生まれてきた。もちろん、その自分の未来は、自分というエゴな世界を広げることではない。新しい人間観への価値の転換を伴う。

★ところが、それには、すべての授業がPBL型で行われていなければならない。PBLで行われていけば、それが高2から戦略的PBLに変容するだけで、国内外の大学進学準備教育になる。外部の力と連携するも、下請けにはならない。

★つまり、これはかなり理想的な状態で、ほとんどの21世紀型教育標榜校は、授業はときどきPBLであればよく、国内と海外両方の大学を射程に入れたグローバル大学準備教育を外部に丸投げか、授業が下請けであれば、結局結果は出てしまう。ときどきPBLをやるから、なんとなく新しいこともやるという雰囲気があり、20世紀型教育よりも相対的に知識偏重という雰囲気は回避できる。

★かくして、フェイク21世紀型教育を行っている学校で、実際には、学校の授業は空洞化してしまっていても、外部の力によって大学合格実績を国内外両方で出すことができるのである。

★もし、法律の学校という枠組みが解けてしまったら、自前でできる学校は、真正21世紀型教育推進校しかなく、そのほかの学校は、みな外部団体に飲み込まれてしまう。そうなっていないのは、単純に「規制」があるからだ。

★「規制」がなければ、学校として機能しない状態の中で、多くの生徒が縛られているのである。これでは、日本の国力を回復する才能児が羽ばたけるわけがない。

★「規制」を外して、予備校型学校、海外大学附属型学校、真正21世紀型教育校とはっきりしたほうが、生徒も教育力そのもので学校を選択できるし、才能も開花できるだろう。

★まあ、荒唐無稽な話だが、もしも「規制」を外したら、自分が行きたいと思っている学校がどのタイプに属している学校なのか見えてくるだろうから、論理的仮説として考えてみるのも許されるだろう。

★そうはいっても、いずれにしても、「規制」が成立しなくなる時代はすぐそこまできている。Facebookの≪リブラ≫の話は、今は各国から包囲網を仕掛けられているが、それは一過性で、やがては中央銀行の機能を突破し、そこを中心に積み上げてきたあらゆる規制を崩していくだろう。制度の再構築が起こるのは、多くの見識者が見通していることである。

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