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2019年7月14日 (日)

神崎史彦先生の大学入試 志望理由書のルールブックの意味

★神崎史彦先生が新刊を出す。「ゼロから1カ月で受かる 大学入試 志望理由書のルールブック」( KADOKAWA 2019/7/20)がそれだ。Amazonより先に昨日先生から郵送して頂いた。心から感謝いたします。

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★本書は、もちろん大学入試におけるAO入試や推薦入試にダイレクトに役に立つ良書である。大学入試とはそもそも何かと迷っている受験生、志望理由の捉え方というものの見方・考え方を知りたいという受験生、自分はどう生きるかと悩みながら大学入試に臨んでいる受験生、自分のやりたいことを見つけたいと思っている受験生、大学に進む意味をどうつかんだらよいのか足踏みしている自分を変えたいと思っている受験生、ただ大学入試を受けるのに志望理由書が必要だからと実用的に考えている受験生、合格答案を知りたいという受験生・・・などどんな角度からでもよいから接近して読んでみることをおススメする。

★というのも、きっかけが目先の利益のためであっても、情熱がないけどとりあえず合格するためでも、自分のやりたい学問を追究するためでも、志望理由書に取り組む意識の低い高いにかかわりなく、視野が狭い広いにかかわりなく、とにかくまず読んでみて欲しい。

★すると、目先の利益を超えて自分にとって意義あることが向こうに見えてくるし、情熱がなかったはずが、内側からウゴメく響きを感じるようになるし、学問に対する自分の考えがまだまだ浅薄だったことに気づくだろう。

★人生は、自分が思っている自分以上の自分を感じるターニングポイントが幾つも訪れる。しかし、その転換点は自ら気づこうとしなければ手にすることはできない。

★そんな気づきを得るにはどうしたらよいのか。常に自分とは違う考え方や価値観や感じ方を有する人々や事象と関係を結び付けてみることだ。そういう意味で、本書は、受験生にとって、自らを自らだと思う自分に対する常識を揺さぶり、未知なる自分を新しい世界に連れて行ってくれるルールブックであり、ついには、そのルールの枠を破る境地に立ち、ようやく人生の新たな道が開かれるだろう。

★そして、また大学を卒業する直前に読んでみるとよい。新しい世界で行動しているはずの自分が再び常識の徒と化していることに気づき、再び自ら創ったルールの枠を壊す必要性を感じるだろう。そして、様々な組織の中で、自分のプロジェクトを広げようとしたときに、三度本書に立ち還ってみよう。またも常識化した自分と対峙する挑戦をする人であることの必要性を感じるだろう。

★そして、そのとき、学問とは象牙の塔で研究することではなく、世界を問う学びを生涯続けることであることに気づくだろう。学問とは大学教授という資格が必要なのではなく、世界を問う学びの構えこそが必要なのである。しかし、そのことを知るには、知るための成長物語としての条件が必要である。

★その成長物語の主題は、いつも自ら常識化してしまった自分を創造的に破壊することであり、その苦しみが訪れる時熟によって、ようやく真理がちらりと向こうにみえるのである。そして、また見えなくなる。それゆえ、再び成長物語が始まる。成長物語とは自己変容の無限の螺旋階段である。

★本書は、ゼロから1カ月で受かる導きの書であるが、同時に生涯をアップデートするたびに反復して読まれる書なのである。

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