グローバル教育とSTEAM教育の基礎となる授業を3つのPBLデザインツールで組み立てる。
★昨日、GLICC代表の鈴木裕之氏と株式会社FlipSilverlining代表取締役の福原将之氏とミーティングを行った。1つは、26日に盛岡で開催される「第57回東北地区私学教育研修会」の「21世紀の私学教育」の部会のファシリテーターを福原氏と私とでコラボするので、その打ち合わせ。もう一つは、9月1日の「第3回静岡国際シンポジウム」で鈴木氏と仕掛けるプログラムの打ち合わせ。
★東北地区の研修会でのテーマは「2040年を見据えた21世紀型授業~グローバル教育とSTEAM教育の基礎としての授業」。大学入試改革もいろいろ紆余曲折しているけれど、2040年を見据えながら描かれているわけだから、未来の根っこから今の教科の授業をどうデザインするのかワークショップで先生方と創っていく。
★現在、グローバル教育とSTEAM教育というのは、どこの学校でもうたわれているけれど、どちらかというと、授業以外の教育活動とか探究の時間とか、留学や高大連携というパッケージで行われるのが主流で、教科の授業に埋め込んでいるところは少ない。
★というよりも、実際には行っているのだが、そういう意識がないまま行われているから、教科の授業と教育活動やキャリア教育、探究の時間が有機的につながりにくい。
★そこで、大学入試問題を素材に、有る仕掛けを埋め込んだPBL型授業にすると、グローバル教育やSTEAM教育のエッセンスを教科の授業の中で実施できることをシェアしていく。
★それは、ハーバード大学のマズール教授の授業からヒントを得たPILとハーバードのアクティブラーニングプロジェクトチームが実施しているアクティブラーニングタイプ、そして21世紀型教育機構の標準「思考コード」を結合するワークショップによって行う。
★PILは、福原氏が(私も思考過程デザインのところで少し協働した)作成したPILアプリを活用することで、一見知識の問題が、広く深い思考のプロセスを生みだしていることを可視化し、その過程で、生徒が成長する手ごたえを感じるアクティビティになる。
★知識問題を、まず解いて、解き終わったら、解説するという従来の授業では、知識を憶えるということが前面にでてきて、その背景で思考が働いていることが見えない。そのため、多くの生徒が短絡的に暗記してしまうというのが今までの授業だった。
★ところが、知識問題の中には、その背景の思考過程こそがポイントになっている入試問題が今ままでも出題されている。ただ、そのような問題も知識問題のカテゴリーに入れられ、その思考過程を生徒がシェアすることがなかなかできなかった。
★それがPILによって、その思考過程が知識を憶えるというより、知識を動員するダイナミクスを生み出すメカニズムであることを実感できるようになる。この知識と思考の関係をICTを介することによって明らかにすることこそSTEAM教育の基礎の基礎である。
★また、小論文で、中にはIBのTOK型の問題が出題される場合がある。その問題をPBLデザインで考えていくことによって、実はグローバル教育の基礎に行き着くことをやはりワークショップでシェアしていく。
★大学入試問題の中には、意識しているのかしていないのかわからないが、PIL型問題や哲学的な問題がたくさん出題されている。それを解くことが目的ではなく、その素材を通して、グローバル教育やSTEAM教育の思考のメカニズムを生徒自らがデイザインできるようになっていくことが本来の目的である。
★これによって、留学や高大連携のSTEAMプログラムを行う際の土台ができる。また、今もこれからの大学入試問題を突破する力もパワフルにできる。PBLが大学入試を突破する知識と思考のシステムをつくり、同時に未来を創る知のメカニズムも創ってしまうということを先生方と共に創ってきた実践を、今回の研修でシェアしていきたい。
★とにかく、PILアプリとアクティブラーニングタイプのロゴと思考コードというPBL授業デザインツールによって、21世紀型の授業が割と簡単んに組み立てられるようになったのである。
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