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2019年7月18日 (木)

アサンプション国際小学校 ふだんのPBL授業が「5年生自然教室」と有機的に結びついている。

アサンプション国際小学校の「5年生自然教室」の様子がコンパクトに同校サイトに掲載されている。子供の元気な様子、酪農体験に没入している(フロー状態)様子が伝わってくる。

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(写真は同校サイトから)

★そして、自然教室のフローがきちんと掲載されている。実に興味深いのは、事前学習というふだんのPBL授業で、まずは谷川俊太郎さんの「一本の鉛筆のむこうに」という一本の鉛筆から、広がる世界の人とのかかわりを探る本を使い、身近な物が、どれだけ多くの人がかかわっているか、それぞれどんな役割の仕事をしているのかを見出す「視点を変える」学びの構えをつくって自然教室に臨んでいることだ。

★アサンプション国際は、ふだんからPBL授業を行っている。キャンパス内の植物を観察しにいき、それぞれの植物の名称や特性などを調べていき、教室では、植物の分類をするなど理科的なものの見方を身に着けるまでに発展する。

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★その植物に対する生徒たちの気持ちは、自然環境に対する視点にもなるし、物語の情景描写の読み取りのときの想像力を広げるきっかけにもなっている。

★今回、そのようなPBLを一本の鉛筆に応用し、目の前のモノの背景の広がりを探る学びの構えを生徒みんなでシェアした。

★そして、その学びの構えをキャンパスでは見たことのない自然に「適用」したり、酪農体験で「適用」したりした。その体験を通して、新たな気づきや新しい驚きがあっただろう。それをコンセプトマップなどでグループワークしていくことで、体験で気づいたことを概念化するところまで行き着いたということだろう。

★その概念は、SDGsの幾つかのゴールを解決する際に役に立つことを、事後学習でまたPBL授業でまたまた展開していくのだ。

★1本の鉛筆という本の世界から飛び出して、「自然」と「酪農という自然とかかわる社会システム」と「そこにかかわる人間の気持ち」を実際に結びつけて、生徒1人ひとりが、それぞれの興味と関心を新たに抱き、新しいステージで学んでいく成長がみられた体験学習だっただろう。

★アサンプション国際小学校の教育では、授業のPBLと自然や社会におけるPBLがぶどうの木の樹液のように循環している。その循環の意味することが生徒の知性と感性を豊かにしていくことを示唆していることを了解することはもはや難しいことではない。

 

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