中学入試を巡る学びの使い方によって、未来への才能を開発するコンピテンシーを生成することができる。
★制度改革は必要であるが、それには時間がかかる。今目の前の状況を変えるには、制度改革以外の方法も活用する必要がある。それはいまここで、自分の意識を変えることと価値の転換をすることで、まずは何とかなる。
★もちろん、制度改革がなければ、どうしようもないことがある。制度改革の必要性は、たいていの場合、悪法が正義の衣服をまとっていることに気づいたとき起こるから、そのような気づきが起こるクリティカルシンキングとどう変えていくべきかというクリエイティブシンキングが必要になる。
★悪法も論理的に考えるだけでは、悪法を論理的に正当化してしまうから、制度は変わらない。それどころか抑圧は極度に達する。従来の最高学府でも論理的思考までしか学ぶ教育しかなかったから、悪法も法として存在し続けてきたし、今もそうなっている。
★ところが、私立学校というのは、すべてではないが、クリティカル&クリエイティブシンキングを育成するカリキュラムがデザインされているところもあるから、ときどき悪法も法でいいのかと風穴を開けようとする人材がでてくる。
★しかし、それは今までは一握りだった。それが、今、私立中高一貫校の入試に大きな変化が起き、知識と論理的思考のみならず、クリティカル&クリエイティブシンキングもトレーニングする必要性のある新タイプ入試や認知能力のみならず非認知能力も受け入れるようになってきた。それゆえ、おけいこや習い事を通じての「体験」も重視されるようになった。
★多様性も受け入れる英語入試という新タイプ入試も生まれ、複眼思考を受け入れる環境が整ってきた。
★そうはいっても、すべての私立中高一貫校が、上記図のようにすべてを行っているわけではない。したがって、従来は学校選択は偏差値と大学合格実績で選んでいればよかったのが、多様な選択肢が現れたのである。
★これは、学校選択を考えることによって、これからの新しいキャリアの在り方を考える機会が、中学入試において生まれたことを示唆している。
★さて、そのとき大切なことは、多様な学びの機会をバラバラに取り扱うのではなく、それをつなぐ「X」なるものは何なのか?考えることが重要になる。もし、つなげる「X」に思いつかなければ、急遽いまここで形成して「X´」を身につける必要がある。中学入試を経験しないと、この機会をスルーしてしまうから、大学入試直前に「X´」がないことに気づき、大いに苦労する。
★苦労するのであればまだよいのだが、ここでもスルーしてしまう可能性がある。そのとき未来は閉じられる。これが今新しい学びが論られている部分のまだ気づかれていないリスクである。
★新しい学びはたしかに未来を拓くが、もし新しい学びを体験しないと未来は閉じられるのである。新しい学びを否定する学校や教師は、いまここで自分たちの生活を守るだけで、生徒の未来を閉じているのだということに気づいていない。教育もSDGsの1つのゴール項目に入っているが、SDGsにある世界の問題は、近代の時にその原因は生まれたが、それだけを追究していると見逃すことも多い。
★近代の構図が再帰的近代に変化したことの重要性をまだきちんととらえていない教育現場の枠内で、解決しようとしても罠にはまっていくだけだという恐ろしい現実を。
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