静岡聖光学院 <対話>が<対話>を生む。
★静岡聖光学院の先生方は、多忙な日々の中で、<対話>を大切にしている。教務の新しい動きをマネジメントしている副教頭の田代先生は、2日前にマレーシアの国際サミットから帰国したばかりだが、その<対話>を見守るように柔らかく参加していた。
★つまり、どういうことかというと、今回の<対話>のアイデアは、中村先生(英語科)、佐野先生(数学科)、榊原先生(理科)、伊藤先生(社会)の<対話>から生まれた。いつもなら、田代先生が辣腕を振るうのだが、何せ、日本にいない。
★インドネシアに行っていたと思っていたら、気づいたらマレーシアだ、オーストラリアだ、フィリピンだ、シンガポールだということになっている。先生方は、田代先生の帰国を待っていたら、静岡聖光学院のPBL授業の進化や拡充が緩やかになると思ったし、田代先生もカリキュラムマネジメントは、ボトムアップやGrowth Mindsetを生み出すメンバーにエンパワーメント(委譲)することにしたのだろう。
★とはいえ、田代先生ばかりか、学内の先生方も忙しい。海外にいなくても、海外とのコラボレーションの準備は想像を絶する忙しさである。とくに8月下旬に行う日本初の「静岡聖光学院中高国際サミット」の準備のそのプロセスは凄まじい。
★その合間を縫って、“Most Likely to Succeed” のDVDを見て、High Tech High (HTH)の教育に驚嘆し、またそこでHTHの教育と静岡聖光学院の教育の比較研究の<対話>が始まったりしている。そして、自分たちが実施しているPBL型授業を思考コード分析とハーバード大学のDerek Bok Center for Teaching and Learningが支援している中高の教師のためのアクティブラーニングデザインの手法も参考にしたりしている。
★なぜ海外の情報を自分たちのPBL授業に参照するのかというと、同校主催の国際サミットに参加する東南アジアの学校は、その国の顔とも呼べるエスタブリッシュな学校で、どの学校でも英語もPBLもICTも当たり前の文化になっている。
★だから、今後英語科教員以外も英語は学ぶことになるし、いやすでに学んでいるし、授業も世界標準のPBL授業にしていくことの重要性をひしひしと感じているのである。そして、ICTを日常活用するのは、もはや当然。田代先生自身も英語を学んでいるし、PBL授業も実施しているわけだが、「必要に迫られて」行うことの重要性をしみじみと語っていた。
★このような状況の中で、今回の<対話>は、有志の教師が自然と集まってきて行われたものだ。<研修>という構えを取っ払い、先生方が発言した内容から、拡張したり、ある話題に集中したり、急に違う話題に飛んだりと、頭の中がグルグル大きく回転しながら時は過ぎた。ブレスト以上のブレスト。
★HTHの学びが成り立つ条件を意識しなおし、それを外していくと、静岡聖光学院の各教科のPBLと共通するものが見えてくる<対話>になった。HTHの学びはスパンが長いし、定期テストはない。表面的には静岡聖光学院のPBL授業とは違う。
★しかしながら、各教科の特性である知識の在り方を<対話>していくことで、既知としての知識の構造とその構造がわかることによって未知としての知識を創造することもあることに気づく<対話>となった。
★「プリズム」や「チョロQ」という何気ない「モノ」から、創造的な広がりや深まりの関係がパッと広がっていく<対話実験>も行った。
★「プリズム」「チョロQ」を「知識」やHTHの「制作物」と置き換えると、そこにある共通の構造や関係が見えてきたのである。
★先生方にとっては、自分の教科の「知識」は、「興味・関心事」である。
★今回、先生方は、その「知識」を思考のために必要なたんなる道具とするのではなく、「知識」を生徒と共有する時に、論理性や創造性も生み出すことができる質感に転換することの大切さに改めて気づいた。それでなければ、楽しくないし、「興味・関心」は湧いてこないのだと。
★思考とは<対話>であり、記憶もまた<対話>の中にあり、個体の中に閉じ込めれているわけではない開放系なのだという<対話>にも広がっていた。
★多くのケースでは、このような一見すると実用的でない<対話>は好まれないのだが、場所を変えても永遠続いた。5時間弱も。
★しかしながら、静岡聖光学院にとってのPBLの「存在理由」を、多角的に接近してリフレクションしていく<対話>が濃ければ濃いほど、そのPBLを共に営む教師と生徒のソフトパワーはしなやかでかつ強い力を生み出すことになるだろう。
★そして、その強烈なソフトパワーを生み出す静岡聖光学院の学びを国際サミットで海外の生徒と共有することで、今まで見たこともないダイナミクスが生まれるだろう。世界は変わるのである。
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