中学入試における多様な学び方の化学反応を引き起こす「X」なるものの作り方。
★2013年以降の中学入試は、「2科・4科の学び」「新タイプ入試の学び」「おけいこと習い事の学び」「学校選択としてのキャリア教育の学び」など多様な学びを体験しながら受験に挑戦できる。そして、その傾向は年々強くなっている。
★1986年~2012年くらいまでは、中学受験と言うと「2科・4科の受験勉強」のみで、学校選択も、偏差値か大学合格実績を基準に選ぶから、学校選択というより、併願戦略によって必ずどこかは合格するということが目的。
★中学受験によって将来自分がやりたいことを決めて学校選択するという話はほとんどなかった。キャリア教育は、その学校に入学してから考えればよいという時代だった。
★ところが、多様な学びが必要になってからというもの、多様な学びに応じた才能が重視されるから、自分の才能と適合する学校はどこか、その自分の才能を生かしたキャリア実現の確率が高い学校はどこかという学校選択とキャリア教育が重なり合うようになったわけだ。
★しかしながら、中学入試段階でのキャリア教育は、進路先教育ではなく、自分の才能を開花する学び方を学ぶということがメインになる。
★したがって、その自分の才能を開花する学び方という「X」なるものを明快にしつつ、暗黙知として自動化する学びが重要になる。
★しかし、意外と、それは難しく、現状ではその「X」なるものは、学の中で意識されているわけではないから、家庭教育や就学前の幼稚園での教育などで暗黙知として身につけていれば、多様な学びの中で自分独自の才能を開花できるが、そうでない場合(これが意外に多い)は、多様な学びを体験しても、自分の才能を見出すことができない。
★そこで、「X」を急遽生み出すために「X´」なるものを学び直すことになる。しかし、その「X」や「X´」なるものが何であるのか、実はよくわからない。
★ただ言えることは、麻布の中学入試問題や聖学院、かえつ有明、工学院の思考力入試は「X」なるものが身についていないと思考が回転しないので、これらの問題にチャレンジすることで、「X」や「X´」なるものを生成するきっかけになる。
★そうはいても、その「X」なるものや「X´」なるものが形式知化しているわけではないので、これらの入試問題を体験すれば、体験者は全員「X」なるものや「X´」なるものを身につけられるかどうかは、これまたわからない。ただ、言えることは、これらの問題に挑戦することがおもしろいと感じることができる生徒は、「X」なるものや「X´」なるものと共振共感しているからおもしろいと感じるのであって、今まで自分の中にあった「X」なるものに気づかなったのが、発掘されるという事態にはなる。
★麻布や聖学院、かえつ有明、工学院などを受けるか受けないかにかかわらず、麻布の入試問題、聖学院、かえつ有明、工学院の思考力入試を解いてみるのもよい。
★思考力入試は対策講座を、上記3校は行っているが、いつも定員がすぐに満席になる。「X」や「X´」なるものの響きを感じて学びがおもしろいと興奮する受験生は案外大勢いるということだろう。
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