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2019年7月30日 (火)

PBLの世界(3)アサンプション国際のアクティビティとPBL

★昨日29日、アサンプション国際小学校で有志の先生方とPBLの存在理由と作り方について≪対話≫と≪ワークショップ≫を行った。午前の2時間強を使った。多忙な先生方にとって、この時間は貴重で、有意義でなければと思うと、動かない足も動き出し、熱も急に引いた。不思議な体験だった。自分にとって小さな奇跡だったのである。

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★ともあれ、PBLというのが、実は世界が大きく変わりつつある中で、翻弄されることなく、仲間と共に新世界を創るための学びだということを≪対話≫で共有した。カナダのトロント出身の先生も参加されていて、世界を変えるというトーンはシリコンバレー的だけれど、トロントだとみんなでいっしょに世界を作ろうという感覚かなというフィードバックもあり、アサンプション国際小学校は、グローバルチームの≪対話≫ができている。

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★2020年の大学入試改革に伴う学習指導要領の改訂があるから、PBLを行うというだけではなくて、世界の変化を捉えるとPBLを行わなければならない必然的理由があることを、アクセンチュアの「人間+マシン」の動画とHTHの情報がどんなところで結びついているか≪対話≫していった。

★アサンプション国際小学校の先生方は、1人1台タブレットを持っているから、web検索しながら≪対話≫ができる。プロジェクターに私のパソコンからの映像を写しはするが、1人ひとりタブレットで動画を見たり、情報をリサーチしながらできるので、≪対話≫がプロジェクターに規定されることがない。

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★PBL授業も実は同じである。小学校なので、すべての授業でタブレットを活用しているわけではないが、授業によって、生徒も1人1台活用しながらPBL授業が進んでいく。

★ICTはともかく、PBLとは≪対話≫が形成される学びである。アクセンチュアの動画もHTHのカリキュラムも、2つに共通しているのは、実はこの≪対話≫を形成するPBLのシーンなのだ。

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★世の中、≪対話≫が必要であることは了解されている。しかしながら、いざ≪対話≫するとなると、面談とか哲学カフェ風とか共感的コミュニケーションという場など構えをつくるチェンジが必要となる。

 

★それでは、授業の中で立ち上げるのは面倒である。ところが、PBLとは、その≪対話≫の多様な活動をそれぞれに対応する≪アクティビティ化≫しているから、気軽にアクティビティを選択して、組み合わせれば、≪対話≫が自然と生まれる仕掛けになっているのだ。

 

★私たちは幼児期から大人まで、基本、まずやってみようという経験をする。そして経験から学ぶものである。ところが、いわゆる20世紀型の授業は講義というアクティビティだけで、多様性がなかった。

★ところが、いろいろなアクティビティを組み合わせることによって、多様な経験が授業の中で生まれ、その経験から生徒は気づきを得るのである。その気づきはアクティビティによって違うし、どのアクティビティが刺激的かは生徒によって違う。だからこそ、多様なアクティビティがポイントなのだ。

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★ワークショップでは、詩の素材文と規則性の隠れている装置を使って、PBL授業の作り方を確認した。一学期に先生方は、PBL授業を実践し、そのリサーチも一緒にしてきた。

★そのまとめというか、一般化というかそんなワークショップとなった。

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★素材や装置を理解していくために、生徒はどんな問いのアプローチをしていくのか、問いをどんどん出し合い、カテゴライズした。これはコンセプトマップ風にポストイットを使うので、先生方は手慣れたものだ。

 

★その後、各カテゴライズの問いをどのようなアクティビティで授業するのか≪対話≫。アクティビティはハーバードのアクティブラーニングプロジェクトのサイトを活用した。タブレットがあるので、すぐに検索できるし、英語ができる外国人教師と日本人の教師が参加しているので、英語のサイトも怖くない。

★もし、アクティビティを挿入しなければ、テスト問題になる。だから、実は授業は最初に問いをたくさんつくって、それにアクティビティで息吹を与えるやりかただと創りやすいのである。

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★そして、アクティビティの選択によって、生徒の脳神経身体全体がワクワクして心のトルネードを起こすかどうかが決まる。それを確認するために≪思考コード≫を使った。

★実は詩の素材や規則性装置は、筑駒をはじめとする中学入試問題の素材部分。問いを外して、そこは先生方と作ったのだが、入試問題以上に深くk面白い問いが生まれた。これによって、アサンプション国際小学校の先生方の問いを生み出す力は筑駒以上ということが共有できた(微笑み)。


★また≪思考コード≫によって、トルネード・オブ・ラーニングになっていることも確認できた。先生方は、自分たちのPBLというのは、どのくらいのレベルなのか?これでよいのだろうか?グローバル教育を標榜しているのに世界に通じるのだろうか?と不安に思っている。

★しかし、この≪不安≫は、最適な学びを子供と共にしたいからという意志があるから生まれてくる。それで、ハーバードの≪アクティビティタイプ≫や筑駒の入試問題や≪思考コード≫という鏡を活用するのである。

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★そして、最後は対話のパターンランゲージのカードを使って振り返りをした。井庭先生のデザインしているいろいろなPLのカードは、振り返りの時にとても役に立つ。

★それとなんといっても、Webというグローバルブレインは良き仲間である。

 

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