聖学院 飛躍的進化へ(2)人材開発と学習する組織をつなぐ聖学院「思考コード」
★聖学院の「思考コード」は、先生方が自分の授業で生徒がどこまで広く深く考えていくのか、どうやって内発的モチベーションを生み出していくのか、自己開示をし、省察(リフレクション)していくのかをモニターするコンパスとして活用され始めている。
★また、学習する組織として、クリエイティブクラスになるには、思考コードのC軸に沿ったプロジェクトをどのように創っていくのか考える契機にもなっている。この授業デザイン研究会自体、児浦先生は教師力や組織としてのイノベーションを創発するプロジェクトとして成長を見守ってきた。聖学院の人材開発と組織開発のプロトタイプであろう。
★今回は、吉原先生の社会の授業のスクライビングを行った。吉原先生がご自身の授業を7分間のストーリーにして語る。そして伊藤先生がその話をフローチャート化して転写していく。授業の7分間物語の転換とさらにフローチャートという図式の置換。これらの作業はCoreflection(共省察)でもあり、ズレがあるかないか互いに耳を傾けよく観察するところが意外と重要。
★そのあと、フローチャートに従って、生徒の学びのスタイルをチームで分析していく。傾聴とか個人ワークとかグループワークとかディスカッションとか生徒の様々な動きが明らかになっていく。
★フローチャートと生徒の言動の様子の議論が終わり、シェアした後、再びフローチャートに従って、思考コード分析していく。このとき、吉原先生の授業で、生徒はどこまで考え表現していくかその可能性が見える化される。
★そして、参加者全員がつけた思考コードを各ドメインごとに集計して、割合を計算する。すると、やはり、考える授業であることがくっきり見えてくるし、想像力や創造性も発揮する授業になっていることに改めて気づく。
★吉原先生の授業は、生徒から大人気なのであるが、それは≪Hard Fun≫で、ストリーテラー吉岡先生の世界に導かれ、さらに主体的に考え抜く力を発揮できるから人気があるのである。
★しかしながら、吉原先生は、中1だから、まだC軸までは考えていなかったが、みんなで振り返ってもらい、自分の授業の可能性に気づいた。挑戦しないわけにはいかないという自分の気持ちを仲間とシェアした。
★今回、児浦先生は、素晴らしい授業もさらなるアップデートができるというのが、聖学院の強みになるはずであると語る。一人でアップデートすることはなかなか難しい。それはスポーツにおけるアスリートと同じである。チームでアップデートしていく協力が大切なのだと。
★つまり、人材開発や授業力の向上は、そういう協力し合える組織作りが必要なのだと。
★今後、この思考コードを生徒と共有し、そのときの授業のルーブリックを生徒といっしょに創ることもできる。また、ルーブリックを「問い」化することによって、生徒自身が問いを立てることができるようにもなる。
★自己開示、共有共感は、聖学院の生徒はすでにかなりできている。あとは自ら問いを立てることができるよういになれば、おのずと探究活動やキャリアデザインを自分で描けるようになる。
★自分とは何か?という問いをめぐる絶えることのない新たな自分発見の拠点が授業であるのが今後ますます聖学院の強みとなろう。
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