工学院 知識創造のシミュレーション 暗記しない知識
★工学院の中村先生の中1の理科の授業を拝見した。シダ類とコケ類の共通点や違い、他の植物にはない魅力について調べてプレゼンする授業だったが、調べてただプレゼンするわけではない。
★「魅力」とあえて硬い理科的な考え方とは対峙する表現を使ったのは、調べた事柄を「ポスター」に表現する作業をまずしたからだろう。シダ類とコケ類を調べるグループを大きく2つに分けて、さらにチームにわかれて調べてポスターにしていく。
★シダ類を調べるグループは、コケ類を調べない。逆もまた然り。なぜそんなことをしたかというと、情報を有している方が情報を有していない相手に教えるというペアワークをするためだ。
★そして、プレゼンして情報共有した後、もっとこういうことを調べた方が良いとか、ポスターのデザインはここの工夫が必要だとかリフレクションやフィードバックを行う。
★シダ類とコケ類の違いや共通点はテキストに書いてあるし、そのページを暗記すればすぐに終わるではないかと硬い理科的な考え方をする方はすぐに思うだろう。しかし、中村先生のように柔らかい理科的な考え方をする先生は、暗記ということをあまりしない。
★しかし、知識は大切なのだ。では暗記しない知識とはどういう意味があるのだろう。
★授業終了後、中村先生と少し対話をしたが、やはり知識に対する考え方が、硬い理科的な考え方とは違い柔らかいのである。中学生にとっての理科の知識と私たち大人の理科の知識とでは、未知と既知の違いがある。
★大人も新しい事象や現象に直面した時、それを知ることによって新しい知識を体得するし、場合によっては新しい知識を創造する。
★中学生にとって、大人にとって既知のモノでも、未知である場合、まさにその知識創造と同じ過程をたどるのではないか。こうすることで、知識を、名称の部分だけではなく、その背景にある知識の有機的な諸関係として丸ごとゲットできるという。
★今後、工学院にとって、知識とはこのような知識創造のシミュレーションとして位置づけられるかもしれない。
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